
イノベーションの共有
本調査では、エンジニアとエグゼクティブの間で、イノベーションの定義に関する共通認識が形成されていることが明らかになりました。
この3年間の調査で初めて、エンジニア(56%)とエグゼクティブ(64%)の大半が、イノベーションを全面的な変革ではなく試行を繰り返しながら、段階的に改善していくプロセスと捉え、両者が同意しました。これはエグゼクティブ側の認識が変化したことによるものです。昨年の調査では、エグゼクティブの過半数(56%)が、イノベーションを全面的な変革と定義していました。
このような両者間の認識の一致は、製品イノベーションを軸とした戦略的目標を追求する上で、強固な基盤となります。
しかし、経済的な圧力の高まりにより、企業は長期的な持続可能性よりも財務目標の達成を優先し、短期的にはコスト削減の取り組みに重点を置かざるを得ない状況になりつつあります。
TEの見解
イノベーションはこれまで急激な技術革新により発展しました。企業が今、持続可能な成長を目指す上で重視しているのは、技術を継続的に進化させることです。市場の変化が加速するなか、着実な技術改善を積み重ねることが企業の競争力強化に求められます。AIの進化や電気自動車の普及という大きな技術革新が新たなビジネス機会を創出し、エンジニアはそれらの技術を改良し、より革新的な形へと進化させることに注力しています。経済的圧力が高まるなか、効率性を追求するだけでなく、戦略的な技術開発を通じて長期的な価値を生み出すことが求められています。TEでは、リアルタイムのデータを活用しながら、アジャイルな方法で製品を進化させ、新たな市場機会を継続的に獲得しています。イノベーションと技術の発展は、ビジネスチームとエンジニアチームが優れた製品を作ることに集中することで実現します。小さな技術改善の積み重ねこそが、次世代の市場ニーズを先取りし、未来を変革する画期的な技術基盤を築くのです。

Chao Zhang
TE Connectivity Chinaゼネラルマネジャー
APACヒューマン・リソース・バイスプレジデント