DIP スイッチ

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実績ある技術の新たな活用方法

ネットワークに組み込む機器の設定が事前にできれば、ダウンタイムを短縮し、変更を迅速に導入できます。このようなニーズにより、DIP スイッチの設計において柔軟性がますます重視されるようになっています。

ソフトウェア メニューや再プログラム可能メモリが登場する以前にも、電子装置の動作をカスタマイズしたいというニーズはありました。 機械の動作を微調整する、ビデオ ゲームの難易度を設定するといったさまざまな目的で、電子システムの特性を変更する使い勝手の良い方法が求められていました。この問題の解決策として、1970 年代の初期に DIP スイッチが開発されました。それから 40 年以上経った現在でも、DIP スイッチは、モノのインターネット (IoT) 技術などの革新的な分野で有意義に活躍しています。

DIP スイッチは、手動式の一連の電気スイッチがコンパクトなデュアル インライン パッケージ (DIP) に一体化されたものです。 DIP は当時の集積回路 (IC) の一般的な構成の 1 つであり、通常は左右 2 列にピンが並ぶように素子が設計されていました。ピン間の距離 (ピッチ) は 0.1 インチで、列間の距離は 0.3 インチでした。パッケージ サイズが標準化されていたため、プリント基板 (PCB) レイアウトの設計が容易でした。IC と同じインタフェースを持つ DIP スイッチは、同じ方法で PCB に実装できるコンパクトなスイッチング装置として重宝されました。

 

DIP スイッチはこれまでにさまざまなサイズのものが製造されてきました。8 極 DIP スイッチには最大 256 通りのスイッチの組み合わせがあり (2 の 8 乗)、これは 1 バイトの情報に相当します。したがって、8 極スイッチは広く普及しましたが、必ずしもすべての用途に最適であるとは限りません。

DIP スイッチ
柔軟性を求める最新のコネクテッド デバイスにより、DIP スイッチは誕生から 40 年経った今でも当時と同じように活用されています。

DIP スイッチには、スライド、ロッカ、ピアノなどのさまざまなアクチュエータ スタイルがあります。 これにより、ユーザはスイッチを動かすだけで PCB の機能をカスタマイズできます。電気機械装置である DIP スイッチには、ソフトウェアベースのソリューションに勝る利点が数多くあります。

 

まず、スイッチの位置が目で見てわかるため、回路の機能を理解するのが簡単です。次に、回路を変更するために電力が必要ありません。この 2 番目の特長には特に興味をそそられます。装置を再プログラムする手段として DIP スイッチを使用することにより、工場環境で、またはユーザが購入後に簡単に機械をカスタマイズできるようになるため、メーカは生産を合理化できます。

 

DIP スイッチを早くから採用した企業の中に、ビデオ ゲーム業界の先駆者的存在である Atari 社がありました。スライド式の DIP スイッチはゲーム センターではこのスイッチを使ってゲームの難易度や各コインに付与されるクレジットの数などのゲーム属性を変更できました。その他に、初期の電子セキュリティ システムでのエントリ コードの設定にもこれらの DIP スイッチが広く使用されました。

エレクトロニクスの問題に対処する他の多くの電気機械的ソリューションと同じように、DIP スイッチも次第に使われなくなり始めました。 1990 年代のイノベーションの 1 つとして電子機器の継続的な小型化があり、DIP スイッチはその物理サイズから当時の消費者向け製品では使用が敬遠されていました。不揮発性メモリが安価かつ小型になったことで、機器の再プログラミングはソフトウェアベースの方法が主流となりました。

 

しかし、DIP スイッチが市場から完全に消え去ることはありませんでした。その有用性は、高性能技術などの多くの用途において確かな意味を持ちます。たとえば、モノのインターネット (IoT) の登場により、家庭や工場で新しい先進的な用途が生まれました。IoT を活用することで、コンシューマデバイスや産業機器はかつてない接続性と柔軟性を手に入れ、迅速な導入が可能となります。

 

DIP スイッチはこの種の、コネクテッドホームやスマート ファクトリに新しい構成要素を追加するときの設定を念頭に置いて設計されるようになりました。ネットワークに組み込む機器の設定が事前にできれば、ダウンタイムが最小限に抑えられ、変更を迅速に導入できます。これにより、DIP スイッチの設計に新たな種類の柔軟性が求められるようになりました。

装置を再プログラムする手段として DIP スイッチを使用することにより、工場環境で、またはユーザが購入後に簡単に機械をカスタマイズできるようになるため、メーカは生産を合理化できます。

今日、PCB 上のスペースは限られており、エンジニアは標準化されたフォーム ファクタにとらわれないソリューションを必要としています。 これを実現するため、TE では単極の積み重ね可能な DIP スイッチを開発しました。この DIP スイッチのカスタマイズを可能にするイノベーションにより、エンジニアは空きスペースを最適に利用できるようになり、不必要な機能や特徴を持つコンポーネントを選ばなければならないという不便さから解放されます。その結果、目的の要件に合致した製品を生み出すことができます。お客様の用途に適した TE のソリューションをご確認ください。DIP スイッチの製品ラインナップはこちらからご覧いただけます