プロファイル: Mark Zitto、製品エンジニア

技術革新の大きな影響について考える場合、10 年という期間は長いものではありません。大学のある教授が、技術というものは絵のように壁に掛けられる薄型テレビを開発するためにあるのだと語っていたのを思い出します。当時そのコンセプトはまったく信じがたいものに思えましたが、30 年後の現在、そういったテレビは大量生産されています。私の分野ではありませんが、生物医学エンジニアリングの分野でいくつか素晴らしい仕事が行われているのを知っています。現在有望と考えられている理論のうち、どれが実際に実現するかを予知することはできません。

特にどの成果が単独で際立っているということはありませんが、キャリアの中では毎年何かを達成してきており、20 年以上前に初めて取得した特許から現在取り組んでいるコスト削減と製品拡張のプロジェクトまで、いずれにも誇りを持っています。私のキャリアにおける最も輝かしい点としては、素晴らしい人々と協力して目標を達成しつつ、その過程で専門家としてもまた人間的にも成長できたことが挙げられます。TE でもまた社外においても、多くの人達が知識、専門技術、経験などを伝えることで私の成長を支えてくれましたし、彼らと一緒に仕事ができたことを幸運に思っています。私の現在の職務の要点は、若いエンジニアたちにそういった知識を伝えていくことです。

「理想」という言葉を聴いて頭に浮かぶエンジニアは特にいませんが、著名なビジネスマンとしてはビル・ゲイツ氏が浮かびますね。誰もが知っているとおり、ゲイツ氏は仕事で大変な成功を収め、その結果として莫大な富を得ました。しかし私が尊敬しているのは、彼の博愛主義的な活動です。ゲイツ氏は夫人とともにビル アンド メリンダ ゲイツ基金を設立し、発展途上国の健康問題や極度の貧困といった難しい問題に大きな変化を起こすことを目指しています。ゲイツ夫妻はこうした目標のため、お金だけでなく自分たちの時間や労力を費やしていることが印象的です。 

父から AMP (TE) のエンジニアリング マネージャに紹介されたのですが、そのマネージャがエンジニアリングの建物の 1 つをざっと案内してくれて、エンジニアリングの仕事内容についても説明してくれました。TE で働き始めたのは大学卒業後 10 年も経ってからで、TE の前には別の企業 2 社に勤務していました。私は物心ついてからずっと、いまだにそうですが、ものを見るといつも「これはどうやって動いているんだろう」とか「どうやってできているんだろう」とか考えます。家族は時々、私の好奇心にうんざりしていますよ。私のような考え方はしないものですから。この基本的な好奇心は、エンジニアリングの分野で働く人間なら誰しも持っているものと思います。

一時、高校の木工細工の教師になることを真剣に考えていました。木工細工はいつも趣味でしたし、若い人たちに教えるのも好きなので、この仕事は論理的に筋が通っていると思ったんです。木工細工のプロジェクトを成功させるために必要な基本的ステップは、TE で新しい製品のエンジニアリングを行う際のステップとよく似ています。プロセスはアイデアから始まり、それが製造可能な設計へと発展し、コンポーネントの図面を作成して、最後にそのコンポーネントを最終製品にまとめ上げるのです。