堅牢な回路を実現

インダクタ (チョークまたはコイルとも呼ばれます) は 2 端子の受動部品で、通常は絶縁された銅線がコイル状に巻かれています。このコイルの中心に、磁性材料または非磁性材料でできたコアがあります。多くのインダクタ (フェライト コア インダクタと呼ばれることがあります) は、磁場 (その結果としてインダクタンス) を増加させるよう設計された鉄またはフェライト製の強磁性体コアを持ちます。その他のインダクタ (空芯インダクタと呼ばれます) は、通常はプラスチック、セラミック、または単なる空気でできた非磁性体コアを持ちます。空芯コイルは強磁性体コア コイルよりインダクタンスは低いものの、強磁性体コアで発生するエネルギー損失 (磁心損失と呼ばれ、周波数とともに増加する) がほとんどないため、高周波数でよく使用されています。

電流がコイルを流れている間、インダクタはエネルギーを磁場に一時的に蓄えます。 電流が変化すると、磁場誘導によってその電流の変化を妨げる起電力 (電圧) が導線に生じ、電流リップルが除去されます。インダクタは、コンデンサと抵抗器とともに、電気回路を構成する 3 種類の受動線形回路素子の 1 つです。 

 

インダクタは電子機器や電源回路でさまざまな用途に使用されています。たとえば、電気回路における高周波ノイズのチョーク・遮断・フィルタリング、電力コンバータにおけるエネルギーの蓄積と伝達、インピーダンス整合、オシレータや LC 回路の調整などが挙げられます。インダクタは交流電流 (AC) 機器、その中でも特に無線機器で広く使用されています。

 

インダクタの一種であるチョークは、無線機器において、AC を遮断して直流電流 (DC) を通過させるために使用されています。インダクタとコンデンサを組み合わせて回路を調整できます。これはラジオやテレビの受信機のチューニングで使用されているほか、電子フィルタで周波数の異なる信号を分離するためにも使用されています。 

低周波インダクタ

製品概要

低周波インダクタは変圧器のように作られており、渦電流を防止するために電気鋼製のラミネートされたコアを持ちます。可聴周波数を超えるコアの場合は、ソフト フェライトが使用されます。その理由は、ソフト フェライトでは、鉄合金に特有の高周波数での高いエネルギー損失が生じないためです。インダクタはさまざまな形状をしています。中には、インダクタンスを変更できる調整可能なコアを持つものもあります。非常に高い周波数を遮断するよう設計されたインダクタは、フェライト ビーズにワイヤを通した形をしている場合があります。

小型インダクタ

製品概要

小型インダクタは、渦巻きパターンでトレースを配置することにより、プリント基板 (PCB) に直接エッチングできます。このようなインダクタでは平面的なコアが使用されています。相互接続を形成するのと同じプロセスを使用することで、集積回路上に低値インダクタを形成できます。ダイ上のインダクタは常にインダクタンスが低く、電力損失も小さいため、現在は高周波 RF 回路にのみ使用されています。 

シールド付きインダクタ

製品概要

シールド付きインダクタは、電源調整システム、照明、その他の低ノイズ動作環境を必要とするシステムで使用されています。シールド付きインダクタには、部分的にシールドされているものと、全体がシールドされているものがあります。誘導コイルを使用し、インダクタの変圧器シールドを近距離で反復的に適用すると、電気通信回路でクロストークが発生する可能性が低下します。