Axicom

ケース スタディ

高い信頼性を低コストで実現

エンジニアリングの世界的なリーダー企業が、イラクにある高電圧変電所数か所の改装を請け負った際、当社はガス充填ブッシング ソリューションでその事業をサポートしました。信頼性・入手可能性・安全性を満たしたこのソリューションでは、コスト効率も大幅に改善されました。

代替ソリューションと専門知識

TE ならではの問題解決能力と迅速な応答を通じて、ある大規模な多国籍企業が、イラクのいくつかの高電圧配電所の改装に最も適した TE 製品のリストアップをサポートしました。

一般的な高電圧変電所のガス絶縁開閉装置 (GIS) の標準動作温度は 45°C ですが、イラクにある変電所の GIS の技術設計では、動作温度は 65°C と指定されていました。この動作温度の差は、サプライヤによって供給される標準的ソリューションが、より大型でコストが大幅に高い、樹脂含浸ストレス コーンを使用する GIS ブッシング (GIS と架空送電線間の接続) であることを意味していました。

新しいソリューションは、サプライヤの技術要件を満たし、過酷な条件下で動作できるだけでなく、他社製品と比較して大幅なコストダウンを実現しなければなりません。さらに、開発から納品までの所要時間はわずか 16 週間でした。 

TE では、このプロジェクトに対するサプライヤの要件を満たす準備をすでに整えていました。スイスのウォーレンにある当社工場の強力な技術部門、開発チームと製品管理チームのカスタマー サポートと合わせ、TE には高電圧設計分野における実績がありました。

さらに、サプライヤは、TE の代替ソリューションをすでに使った経験がありました。これは、2009 年から標準用途として認定されているガス充填ブッシングです。広範な設計と試験プログラムで構成された認定により、サプライヤには標準的なソリューションに代わる選択肢がありました。

サプライヤは、ガス充填ブッシングをイラクの変電所で使用できるかどうか TE に問い合わせました。TE のエンジニアは、特定の電気導線の高温耐性を調べるため、数学モデルを使って直ちに実行可能性の研究にとりかかりました。

当初の発見は肯定的なもので、これらの好ましい結果は、技術的パラメータが調整されても繰り返して得られました。この時点で、ベルリンにあるサプライヤの施設で得られたデータを裏付けて立証するため、TE が提供する試験ブッシングで型式試験が行われました。

試験では、高温において電気的負荷がかかっている状態で 3 つの ブッシングを試験する必要がありました。ブッシングのアセンブリはスイスの TE Connectivity (TE) の現場で、最終アセンブリはベルリンで実施されました。高度にカスタマイズされたサービスを提供するウォーレンの技術チームの経験により、アセンブリに問題はなく、TE が算出した理論的計算値が証明され、試験に合格しました。

TE のガス絶縁開閉装置用ブッシングは、信頼性と可用性に優れ、高水準の安全性を保ちながら、高い経済効率を実現します。わずかなメンテナンスで長期の耐用年数を維持するため、ライフサイクル費用 (取得・使用総額) を低減することができます。コンパクト設計、容易なアクセス、人間工学に基づく使いやすさにより、個々の要件に対する高い適合性を実現します。TE に対する高い評価と信頼性は、製品開発の展開および認証プロセスの鍵でした。購入部門とプロジェクト部門の密接な協力により、プロセスが確実に合理化され、この卓越した用途のための総合特殊試験プログラムに対応することができました。プロジェクトの最終要請に基づき、ウォーレンにある TE Connectivity の Axicom 製造現場は、予定通りに予算内でプロセスを完了しました。合計 300 個のブッシングが変電所に取り付けられ、大幅なコスト削減が実現しました。認証された製品が納入されただけでなく、優れた評価、信頼性、価格という TE の優位性がまたしても実証されたのです。