DAS アンテナとは

分散アンテナ システム (DAS) アンテナは、ワイヤレス通信システム用に設計されたアンテナの一種です。 DAS アンテナはセルラーまたは Wi-Fi をカバーするために設計されており、スタジアムのような公共屋外空間、オフィス ビルのような屋内空間、空港などの交通機関といった広いエリアで通信能力を向上させます。

 

DAS アンテナは分散アンテナ システムに関係しています。分散アンテナ システムとは、ワイヤレス カバレッジを拡大するために広い屋内および屋外エリアに分散配置された小さなアンテナのネットワークです。DAS アンテナは、セルラーまたは Wi-Fi ネットワークからの無線周波数信号を分散アンテナ システムに伝送するよう作られています。これにより、信号が増幅して中継されるため、カバレッジが拡大して通信容量が増加します。

 

DAS アンテナは、セルラーや Wi-Fi などの異なる周波数帯や技術に加えて、UHF、FirstNet、TETRA、緊急サービス用の緊急サービス ネットワーク、公衆安全のような特殊な用途にも対応できます。

 

DAS アンテナはさまざまな形状をとり、無指向性アンテナ、指向性アンテナ、パネル アンテナなどがあります。どの DAS アンテナを使用するかは、目的の用途に必要なカバレッジと容量の要件に基づいて選択できます。設置方法は、建物の構造やレイアウトに応じて決めることができます。たとえば、天井への取り付け、壁への取り付け、屋外での取り付けが可能です。

DAS アンテナの利点

DAS アンテナには以下のような利点があります。

  • カバレッジの拡大: DAS アンテナが属する分散アンテナ システムは建物や屋外エリアの全域に均一に信号を伝送するため、DAS アンテナはセルラー アンテナより広いカバレッジを提供します。このカバレッジの拡大により、不感帯、通話の中断、劣悪な電波状況が少なくなります。
  • 建物内のカバレッジ: 建物内に DAS アンテナ システムを設置すると、5G などの高周波数が屋外から建物内に届きにくいという問題が解消されます。
  • 容量の増加: DAS アンテナは単一のセルラー アンテナよりも多くのユーザとデータ トラフィックを管理できるため、セルラー ネットワークの容量を増加させることができます。この能力は、多くの人が同時にモバイル デバイスを使用する大きな建物の中や人通りの多い場所で特に重視されます。
  • 通信事業者に依存しない: DAS アンテナは、幅広い無線通信事業者や 3G、4G、5G などのワイヤレス技術をサポートすることができ、通信事業者ごとに別々のアンテナを設置する必要はありません。この特性は、使用している通信事業者やデバイスにかかわらず従業員や顧客にワイヤレス カバレッジを提供する場合に重要となります。
  • 低消費電力: DAS アンテナはユーザとの距離が近いため必要な電力が少なくて済み、セルラー アンテナよりも低い電力レベルで動作します。DAS システムのエネルギー効率をさらに高め、長期にわたって高い費用対効果を得ることもできます。
  • 干渉の低減: DAS アンテナは特定の周波数帯で動作するように設計されているため、Wi-Fi ルータや Bluetooth デバイスなどの他のワイヤレス デバイスからの干渉を低減できます。また、不要な信号を除去することもできます。これにより、DAS システムの信頼性が向上し、ワイヤレス カバレッジが常に一定になります。

TE Connectivity の DAS アンテナの差別化要因

当社の DAS アンテナは、効率、信頼性、汎用性、低背形状を実現しながら性能要件にも応えるように設計されています。

  • 豊富な製品ラインナップ: 当社の DAS アンテナのラインナップには、さまざまな周波数帯や用途に対応するものが用意されています。たとえば、無指向性アンテナ、指向性アンテナ、長距離をカバーする高ゲインかつ狭い帯域幅のアンテナなどがあります。
  • 低い受動相互変調 (PIM) 定格: PIM とは、2 つ以上の信号がパッシブ アンテナまたは受動デバイスを通過するときに干渉が発生することです。当社の DAS アンテナは低い PIM (受動相互変調) 定格を特長とし、最適な性能を実現して DAS システムの有効範囲を広げます。
  • マルチ入力マルチ出力 (MIMO) オプション: マルチポートの MIMO DAS ソリューションを選択して、DAS ネットワークの性能と能力を大幅に向上させることができます。
  • 革新的な設計: 当社の DAS アンテナは、性能や信頼性を高めるように設計されています。たとえば、CFSA69594 アンテナは高さが 8 mm 未満の超低背設計になっています。そのモジュール設計により、異なる周波数帯やカバレッジ範囲に合わせてアンテナを構成できます。
  • 大手セルラー事業者の承認済み: 当社の DAS アンテナは世界各地のほとんどの大手セルラー事業者の承認を取得済みで、使用前に認定プロセスを受ける必要はありません。そのため、デザインインのコストを大幅に節約できます。
  • 簡単な設置: 当社の DAS アンテナは簡単に取り付けられるよう設計されており、頻繁なメンテナンスは必要ありません。そのため、設置業者は時間とコストを節約できます。既存の DAS システムに簡単に組み込めるように、4.3-10 や N 型などのさまざまな種類のコネクタを持つものが用意されています。当社の DAS アンテナの多くは、硬質タイル シーリング取り付けオプションに対応しています。つまり、同じアンテナ技術を複数のエリアで使用できます。
  • QR コード: 当社の各 DAS アンテナは背面に QR コードが付いており、このコードをスマートフォンでスキャンするとアンテナの性能データが表示されます。

よくある質問 (FAQ)

 DAS アンテナはどのような場合に必要ですか?

DAS アンテナをより広範囲の分散アンテナ システムに組み込むと、大きな建物、スタジアム、大学構内などの指定の建物エリア全域に安定した高品質の RF カバレッジを提供できます。小さな建物やワイヤレスの需要の低いエリアでは、DAS システムは必ずしも必要ではありません。そのような場合は、TE の固定ワイヤレス アクセス アンテナが適している場合があります。

 

DAS システムを設置する前に何を検討すればよいですか?

DAS アンテナを設置する前に、詳細な現地調査を実施してください。これにより、アンテナの適切な位置や向きがわかり、建物内の壁、柱、構造によって生じる電波の届きにくい場所やまったく届かない場所を特定できます。

 

TE の DAS アンテナの利点は何ですか?

TE は、対応する周波数、形式、指向性が異なる幅広い DAS アンテナを提供しています。超低背型のシーリング取り付けアンテナには、単一またはマルチポート MIMO の形式があり、建物内の DAS アンテナ カバレッジを実現するディスクリート ソリューションとして使用できます。

 

TE の DAS アンテナの主な差別化要因は何ですか?

TE の DAS アンテナはきわめて高性能かつ高品質です。そして、おそらくこれが最も重要ですが、PIM (受動相互変調) 定格が低いという特長があります。これらの特性により、最適なアンテナ性能が確保されます。