熱収縮チューブ

TE Connectivity の熱収縮チューブ

用途に合わせた正しいチューブ サイズの選択方法

はじめに:

他の多くの製品と異なり、熱収縮チューブは取り付けるときに形状が変化するように設計されています。 正しいサイズのチューブは、取り付け先の基材の形状に適合します。 熱収縮チューブは直径だけでなく、全体的な長さも収縮します。 このため、用途に合わせた適切なサイズを選択することが特に難しい場合があります。 本ガイドは、このプロセスを支援するために編成されたものです。

収縮後の内径に対する 基材サイズ

取り付けた熱収縮チューブを堅牢な状態に維持する方法 基材にぴったりと装着できるチューブ サイズを選択することが重要です。 これには、チューブは収縮前のサイズより 20% 以上収縮する必要がありますが、完全な収縮後サイズにまで収縮させるべきではありません。 チューブの取り付け後、10% 以上を未収縮のまま残しておくことが理想的です。

 

例: サイズ 1 インチの RNF‐100 は、最大で 0.50 インチまで収縮します。 つまり、収縮後のサイズが次の範囲となる用途で使用する必要があります。

  • 最小値: 0.50 インチ+ 0.05 インチ (0.5 インチの 10%) = 0.55 インチ
  • 最大値: 1 インチ ‐ 0.2 インチ (1.0 インチの 20%) = 0.80 インチ

つまりこのチューブは、外径が 0.55 インチ ~ 0.80 インチの範囲の基材に取り付けることが想定されています。

熱収縮チューブは、推奨される取り付けサイズの範囲外でも機能するでしょうか? 機能する可能性はありますが、最適な性能は得られません。

用途への適合範囲内で、常に最大のチューブを選択するようにしてください。 容易に取り付けられるだけでなく、取り付け後のチューブの厚みを十分に確保できます。 結果的に、取り付け後のチューブをより堅牢な状態で維持できます。

BRST チューブ
BRST チューブ
DWFR チューブ
DWFR チューブ
ATUM チューブ
ATUM チューブ
SCT 1 チューブ
SCT 1 チューブ

収縮後の長さ

熱収縮チューブは直径が収縮するだけでなく、 収縮プロセスにおいて、チューブの全長もわずかに短くなります (一般的にはそうですが、収縮後に全長が長くなる場合もあります)。 製品の種類によって、全長の収縮率も異なります。 

 

この点が気になる場合は、ご注文の前にフィールド アプリケーション エンジニアにお問い合わせください。
必要な切断長を指定する場合、または社内でチューブを切断する場合は、この点を考慮するようにしてください。 長尺のチューブを使用する場合は、収縮時に全長も収縮することを踏まえ、被覆対象の長さよりも少し長めに切断する必要があります。

取り付けサイズの範囲

取り付けに関する注意事項

  • 収縮前のチューブを伸長させ、むりに対象物に取り付けないでください。 収縮時に亀裂が生じる可能性があります。
  • 熱収縮チューブは、最小伸張時の内径として提供されているため、必ず規定の伸張時内径を使用してください。 チューブが常に、正確に同じサイズで提供されているわけではないことに注意してください。
    ただし、規定の最小伸張時内径には必ず適合します。
  • チューブの完全収縮後のサイズは、常にまったく同じであるわけではありません。 チューブ収縮後の内径に合わせた、規定のサイズを使用してください。 収縮後のチューブ内径が、規定の収縮後内径よりわずかに小さくなることがありますが、規定の最大サイズには必ず適合します。 
  • 必要とされる最終取り付け後の長さに合わせてチューブを切断しないでください。 収縮時に、チューブの全長も変化します。 収縮の度合いに応じて、全長もそれだけ変化します。 全長の変化率は、製品規格に記載されています。 この数値を踏まえて切断長を計算してください。
  • 鋭いエッジのある対象物にチューブを被せて収縮させないでください。チューブに亀裂や穴が生じ、取り付け時にチューブが裂けてしまう可能性があります。
  • 取り付けのガイドライン、特に温度に関するガイドラインに従って作業してください。 温度が低すぎると、チューブが完全に収縮しないことがあり、 温度が高すぎると、焼け焦げや亀裂が生じることがあります。
  • チューブの収縮にヒートガンを使用する場合は、しわが生じることがあります。 これは、チューブが不均一に加熱されるためですが (冷却の結果しわが寄る)、通常はチューブの性能に影響はありません。 推奨される収縮方法は、オーブンを使用して、部品の周囲全体に対してチューブを均一に加熱する方法か、ヒートガンで基材を規定の温度まで加熱し、完全収縮を促す方法です。
  • 用途に応じた適切なサイズのチューブの選択に関し、ご不明な点がありましたら、TE のフィールド アプリケーション エンジニアまでお問い合わせください。