今回のエピソードでは、RF ソリューション担当 Product Manager の Felisa Chuang が屋外監視市場の現況についてお話しします。この分野で見られるいくつかのトレンドと、屋外監視業界が直面しているコネクティビティ製品の設計上の課題について見ていきます。
Tyler Kerr (00:01):
CONNECTED World へようこそ。これは、安全かつ持続可能性に優れ、生産的で、もっと「つながる」未来を実現するための最新の技術トレンドに関心をお持ちのエンジニア向けのポッドキャストです。
Tyler Kerr (00:13):
こんにちは。CONNECTED World へようこそ。このポットキャストでは、TE Connectivity (TE) がつながる世界におけるソート リーダーとして見解をご紹介します。私は司会を務める Tyler Kerr です。本日は屋外監視市場の現況についてお話しします。この分野で見られるいくつかのトレンドと、これらのトレンドがもたらしている課題について見ていきます。お話をお聞きする本日のゲストは Felisa Chuang さんです。TE Connectivity の RF・アンテナ部門の Product Manager を務めていらっしゃいます。Felisa さん、本日はお越しいただきありがとうございます。
Felisa (00:39):
皆さん、こんにちは。本日のトピックである屋外監視についてお話できることを嬉しく思います。
Tyler Kerr (00:44):
Felisa さんはこのトピックを専門としていらっしゃるので、お話を聞けることが楽しみです。本日のトピックに関する素晴らしい見解を多数示してくださるようです。まずはざっくりとした質問から始めてみましょう。屋外監視市場の現況はどのようになっていますか?
Felisa (00:58):
いい質問ですね。私は都市化によって都市のスマート シティ化が進み、5G 機能によってスマートな技術がさらに利用しやすくなり、屋外監視、物理的安全保護、政府機関や輸送機関による交通管制など、モノのインターネット (IoT) ソリューションの新しい市場機会が開かれると考えています。また、屋外監視の重要性がさらに高まってくるでしょう。Gartner 社の『Market Trends: 5G Opportunities in IoT for Communications Service Providers』レポートでは、2020 年には屋外監視カメラ用の 5G IoT 搭載エンドポイントが 250 万ユニットに、2021 年には 620 万ユニットに、2022 年には 1,120 万ユニットに到達すると予測されています。
Felisa (01:46):
5G と都市化によってスマート監視、つまり屋外監視が大きく成長することが見込まれ、都市のスマート都市化が進むと考えられます。また、COVID-19 も人々の行動に影響を与えていることがわかりました。たとえば、私たちはマスクを着用したり、場所によっては体温を測ったりする必要がありますが、スマート監視が潜在的な感染者の監視や検知に役立ち、病気の感染拡大を防ぐことができる可能性があります。これもスマート監視の成長促進要因となっています。以上が屋外監視市場の現況です。
Tyler Kerr (02:32):
なるほど。素晴らしいご指摘でしたね。私も屋外監視市場の成長の裏には社会が受けた影響が数多くあると思います。先ほど Felisa さんが触れられた都市化や COVID-19 の影響ですね。的を射たご意見だと思います。こうしたなか、さまざまな技術が生まれていますが、屋外監視やこの分野で現在見られるトレンドにはどのようなものがありますか? 実際に成長促進要因となっているのはどのような技術でしょうか?
Felisa (02:56):
ええ、さまざまな技術が見られます。たとえば、5G は高速データ伝送や、従来に比べてはるかに多くのデバイスに一度に接続できる機能を提供できます。先ほど触れたように、より多くの都市でスマート シティのトレンドが浸透していますし、スマート シティでは屋外監視のニーズが高まっているように見受けられます。交通管制や照明制御のニーズが高まる可能性がありますし、先ほど述べたように COVID-19 の世界的大流行の影響もあるでしょう。つまり、5G が屋外監視のトレンドにおいて大きな原動力となっています。
Felisa (03:41):
2 つ目のトレンドは公共の安全です。監視は犯罪防止において非常に重要な役割を果たしています。たとえば、AI 対応のカメラは公共の場での潜在的な犯罪を検知して確認できるため、シンガポールや東京などの南アジア太平洋地域の一部の国で普及が進み、政府にとってその重要性が増しているようです。
Felisa (04:12):
3 つ目のトレンドは他のコンポーネントとの統合です。たとえば、コネクタとセンサの組み合わせです。一部のスマート監視カメラはセンサと組み合わせることで、都市での大気汚染や騒音公害を監視したり、街路照明の監視や調整を行ったり、さらには一部の建物や公園の灌漑システムで水の消費量を抑えたりすることもできます。
Felisa (04:43):
そして、最後のトレンドはサイバー セキュリティとプライバシーだと考えています。屋外監視の普及が進んでいるためです。プライバシーの問題は非常に重要ですし、今後も重要であり続けると思います。そのため、サイバー セキュリティとあわせてトレンドと見なすべきでしょう。このことから、屋外監視の設計を行う際には、サイバー セキュリティとプライバシーを重要な要素として考慮に入れる必要があります。
Tyler Kerr (05:14):
なるほど。今のお答えの中でも素晴らしいご指摘がありました。Felisa さんがおっしゃったように、多くの技術が屋外監視分野の成長促進要因となっているようですね。よくわかりました。では Felisa さん、これらの技術トレンドを実装する際にエンジニアが直面する課題にはどのようなものがあるのでしょうか? エンジニアはどのような問題に取り組むことになるのでしょうか? エンジニアにとって大変なことは何でしょうか?
Felisa (05:38):
ご存じのとおり、屋外監視は屋外に設置されています。そのため、重要なポイントは過酷な環境での耐久性だと思います。十分な耐久性が備わっているかどうか、どうすれば過酷な気候、温度、湿度、紫外線に耐えるコンポーネントを設計できるか、です。たとえば、非常に寒い極地や極度に乾燥している砂漠地帯の監視用途で使用される接続デバイスやセンサ デバイスを設計する必要がある場合があります。そのため、コンポーネントがこのような条件すべてに耐えられるようにする方法が非常に重要となるのです。これこそが、屋外監視デバイスのコンポーネントを設計する際のエンジニアの最大の課題だと言えるでしょう。
Felisa (06:24):
2 つ目の課題は、高速データ速度と高帯域幅です。場合によっては、スマート監視にデータ速度が高速なワイヤレス接続が必要となることがあります。そのため、多周波帯や高帯域幅が、エンジニアが設計を行う際の 2 つ目の課題と言えます。
Felisa (06:56):
3 つ目の課題は小型化です。コンポーネントによっては、非常に小さいスペース内に納まるように設計する必要があるため、絶縁の問題が発生する場合があります。屋外監視デバイスに組み込む必要があるコンポーネントをすべて思い浮かべてみてください。この非常に小さなスペース内で、いかに各コンポーネントが優れた性能を発揮できるように設計できるかが非常に重要になります。
最後の課題は、伝送特性、高速伝送、高スループット要件です。屋外監視デバイスにおいて、データ伝送は非常に重要であると言えます。
犯罪が起きる状況を考えてみましょう。スマート監視で犯罪を検知したら、すべてのデータや動画を警察署や政府機関に伝送できる必要があります。そのため、高速伝送も非常に重要になり、エンジニアにとっても難度が非常に高くなります。
まとめると、課題は耐久性、データ伝送、高速化、スモール フォーム ファクタ設計の 4 つの要素です。
Tyler Kerr (08:12):
なるほど。4 つの要素を的確にお答えいただきました。1 つ目の要素、過酷な環境における耐久性について掘り下げさせてください。お客様が屋外デバイスについてこの課題に取り組むお手伝いをされた経験はありますか? その際、どのように耐久性の課題を克服するお手伝いをされたか教えていただけますか?
Felisa (08:29):
ええ、あります。1 年前に TE が屋外デバイスの新しいお客様を訪問するよう代理店が手配してくれたことがあります。当社のチームはこの新しいお客様を訪問し、ワイヤレス コネクタとアンテナのソリューションを売り込もうとしましたが、お客様は質問や課題をいくつか抱えていたほか、初対面だったことから TE を信頼してくださいませんでした。そのため、お客様には試験用の MetaSpan アンテナの無料サンプルをお渡ししたのです。このサンプルを通じて、このお客様は TE の製品が過酷な環境に耐えられる優れた性能を発揮できることを理解してくださいました。このお客様の事例では、非常に高温になる地下にアンテナを設置する必要がありました。高温であるだけでなく、湿度もある程度ありました。しかし、TE の特殊なソリューションにより、当社製品の優れた性能に基づく有用なソリューションを提供でき、このプロジェクトを勝ち取ることができました。TE には過酷な環境での耐久性を実現するノウハウ、特殊な設計、ソリューションがあります。そして、TE のチーム ワーク、情熱、お客様のニーズへの理解、当社製品の優れた品質と性能が、プロジェクトを勝ち取る後押しとなりました。
Tyler Kerr (09:59):
とてもよい例だと思います。屋外監視技術に投資する際、その技術が耐久性に優れているかどうか知りたいのは当然のことですからね。お客様は製品を長く使えるか知りたいはずです。これは非常に重要なことだと思いますし、TE はこの分野において経験があるので、このような課題を克服してきた方法を共有するのは有益だと思います。これ以外に、TE はどのように、先ほど触れられたスモール フォーム ファクタといった課題を乗り越えるための革新的なソリューションを見い出すお手伝いをしているでしょうか。お客様が屋外監視で成功する手助けはどのように行っていますか?
Felisa (10:32):
統合ソリューションが鍵を握っており、最も革新的な要素だと私は思います。そしてモジュール設計ですね。ワイヤレス接続では通常、パワー/シグナル コネクタとの高速データ転送において、高い性能、伝送特性、EMC 規格適合が求められることを先ほど説明しました。TE のセンサ、アンテナ、コネクティビティ、そして過酷な環境における専門知識をすべて活用して、TE は技術的専門知識と業界に関する理解を有効に組み合わせ、スマート シティとスマート監視の要件に対応できます。
Felisa (11:14):
TE は、先ほど Tyler さんがおっしゃったスモール フォーム ファクタなど、他のコンポーネントも考慮に入れています。これらの多くのコンポーネントは、過酷な気候、温度、または湿度下においても機能するように密閉する必要があります。そのため、TE ではスモール フォーム ファクタを実現するための他のソリューションもご用意しています。たとえば、SMA 極細線同軸ケーブルとコネクタ、AMP CT、AMP Mini CT、および AMP micro CT インターコネクション、FPC コネクタ、モバイル バッテリーコネクタ、USB Type-C 準拠の充電器です。つまり、お客様が屋外監視用に統合ソリューションを導入できるよう、TE は数多くのコンポーネントを提供しています。屋外監視にも適したワイヤレス アンテナと組み合わせることもできます。屋外監視では、形状や設計そのものを考慮することも非常に重要です。当社は屋外監視をお求めのお客様向けに、カスタマイズ設計も承っています。
Tyler Kerr (12:30):
Felisa さんがおっしゃったように、当社で扱っている技術の多くが現在世界中で使われているので、トレンドの高まりを感じますね。繰り返しになりますが、成長を続けている重要な技術だと言えます。ここまで、この分野における専門知識や見解について詳しくお話いただいたのは、TE Connectivity の RF・アンテナ部門の Product Manager、Felisa Chuang さんでした。Felisa さん、どうもありがとうございました。
Felisa (12:51):
こちらこそ、ありがとうございました。お楽しみいただけたなら幸いです。
Tyler Kerr (12:54):
もちろんです。Felisa さん、素晴らしいお話をお聞かせいただき、また、このポッドキャストで見識を共有していただき、ありがとうございました。TE Connectivity が提供する CONNECTED World ポッドキャスト、今回のエピソードをお聞きいただきありがとうございました。CONNECTED World では、一流の専門家からソート リーダーをお招きし、Wi-Fi から 5G、今回扱った屋外監視まで、さまざまなトピックについてお話を伺っており、コンテンツが盛り沢山です。TE Connectivity が提供する最新情報をお聞き逃しのないよう、ぜひこのポッドキャストにご登録ください。それではまた、ポッドキャストの新しいエピソードでお会いしましょう。本日は Tyler Kerr がお送りしました。お聞きいただき、誠にありがとうございました。
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