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増大する課題に対応する 3D ソリューション
増え続ける高性能に対する需要に応えるため、通信機器のプロバイダは内部プリント基板 (PCB) の高速化を図っています。現在 28 Gbps の信号速度が設計段階にあり、56 Gbps、112 Gbps がその後に続いています。
問題は、このような高速に PCB がうまく対応できないことです。 PCB は伝送特性 (ノイズ、挿入損失、振幅などの信号品質) との間に問題があり、高速信号を確実に伝達できる PCB の配線距離には限界があります。 このため、PCB 設計者は、基板レイアウトの限界に応じるか、さもなければより高性能のより高価な PCB 材料に移行しなければなりません。
ミッドボード接続 (MBCu) ソリューションは、コネクタとケーブル アセンブリ製品を使ってこの課題に対処します。MBCu ソリューションは、PCB を回避することによって優れた設計の柔軟性をもたらし、コストを削減して、より高度な伝送特性を実現します。ボックス内の構成部品だけでなく、ボックス外の外部デバイスにも延長できるケーブルを備えた MBCu 接続ソリューションは、2 次元のプリント基板設計を高度な構成が可能な 3 次元の空間に変えます。
ここでは、中間ボード銅ソリューションの指定方法について、考慮すべき設計上のいくつかのポイントについて検討します。
「MBCu ソリューションは、2 次元のプリント基板設計を高度な構成が可能な 3 次元の空間に変えます。」
考慮すべき設計上のポイント
ミッドボード接続ソリューションを検討する場合、 柔軟性、信号速度、挿入損失、距離、コネクタ構成、ケーブルの種類など、考慮すべき設計上の重要なポイントがあります。
柔軟性
コネクタ規格
設計者は、PCIe、SAS、SATA、Ethernet、InfiniBand など 30 種類に上るコネクタの規格に対処しなければなりません。それぞれの規格に応じて異なるコネクタを使うことは、考えただけでも大変なことですが、つい最近まではこれが現実でした。それが、ひとつのコネクタ設計を使ってすべての規格に対応できるようになります。この要件を満たすため、MBCu ソリューションには次のような特長があります。
- 8 Gbps ~ 112 Gbps のデータ速度範囲に対応
- 標準製造プロセスを採用
- 垂直および水平の接続オプションをご用意
- あらゆる設計のニーズに応じた幅広いピン構成のオプション
- コネクタを 2D ソリューションから 3D ソリューションに変えるケーブル接続に対応。これによりボックス内外の構成部品とデバイスに柔軟な接続性を実現
- 低い性能の用途に適応するコスト効率で、高速用途に適応する高性能
信号速度
MBCu ソリューション
PCB は最大 10 Gbps の信号伝送に対応できますが、それより高速になると性能に限界が表れます。MBCu ソリューションを使うと、設計者は高性能コンピューティング (HPC) の能力を高めることができます。つまり、コネクタをプロセッサのすぐ横に設置して、IC の処理と同じような速さで信号を伝送することができます。このソリューションを使えば、PCB はもはや性能のボトルネックではありません。
挿入損失と伝送特性
すばやく確実に接続
PCB 配線が非常に短い 場合 (コネクタから IC まで 4 インチ未満)、設計者は多大な挿入損失を覚悟しなければなりません。ミッドボード接続ソリューションは、ケーブル 1 本で必要とされる距離に信号をすばやく確実に取り入れることができるので、この制約は解消されます。
PCB 上で配線を通じて信号をルーティングする場合には、必ず多くの配線があります。すべての構成部品を経由して配線をルーティングする場合は、伝送特性を認識していなければなりません。さらに、的確な性能を確保するために伝送特性を解析する必要があります。この伝送特性の問題は、ケーブル 1 本で解消されます。
距離
信号到達距離
MBCu ソリューションにはさまざまなゲージ ケーブルが含まれていますが、どのケーブルも PCB より長い距離に信号を送信します。たとえば、33 ゲージ ケーブルでは通常挿入損失が 4 倍低減し、より大径のケーブル (30 ゲージ以下) では挿入損失はさらに低減します。その結果、PCB に 4 インチの制限を課していた設計は、33 ゲージ ケーブルの MBCu を使用して 16 インチまで延長することができます。これにより、設計の柔軟性が高まり、シンプルな PCB レイアウトが実現します。
ケーブルのタイプ
MBCu ソリューション
MBCu ソリューションには、リボン ケーブルまたは TwinAx のケーブル タイプが用意されています。リボン ケーブルは PCIe や SAS などの低速用途に使用され、28 Gbps 以上の高速信号を必要とする設計には個別の TwinAx ケーブルが導入されています。
コネクタ構成
PCB 技術
0.6 mm 極間のソリューションでは、中に入るプラグイン カードに標準の PCB 技術が使われています。0.5 mm 極間の MBCu 製品に移行する場合、業界向けの既存の PCB 技術は使うことができません。そこで、2 ピース コネクタを使用するか、高集積に使用される比較的高額なボール グリッド アレイ (BGA) ラミネートにする必要があります。また、用途に応じて垂直コネクタまたは水平 (直角) コネクタのどちらが必要であるかを判断する必要があります。垂直コネクタと水平 (直角) コネクタの両方が提供されているソリューションは、より柔軟性があります。
ミッドボード接続ソリューションの利点
MBCu ソリューションによってどのような柔軟性とコスト節減がもたらされますか? MBCu ソリューションは、システム内のさまざまな相互接続に対応する、統合された高性能プラットフォームを提供します。カード エッジにはカード エッジ用の接続、ケーブルにはケーブル用の接続、ソケットにはソケット用の接続を使うのではなく、設計者には複数の箇所で使えるひとつのプラットフォームが提供されます。これにより、認定プロセスと設計プロセスが簡略になり、合理化されます。さらに、MBCu はコスト効率に優れ、光接続の代替手段となります。光モジュールは MBCu のケーブル ソリューションに比べてコストが 6 ~ 7 倍になることもあります。
機器メーカが PCB の高速化に移行する中で、優れた設計の柔軟性とより高い性能、コスト低減を実現する MBCu ソリューションは、システム内部の信号伝達に対応する魅力的な代替手段となります。あらゆる用途を満たす MBCu ソリューションにより、製造メーカは設計時間を短縮してコストを削減することができます。