最新型 SMD パワー レジスタ: 小型化、軽量化、高速化を実現

エレクトロニクス業界の例に漏れず、設計・製造における進歩は、メーカによる製品ラインナップの継続的拡充の原動力となっています。 ここ数年にわたって、材料の効率性は向上し、製造技術も従来に比べて制御しやすいものとなっています。TE ではこうした背景に支えられて、サーフェス マウント デバイス (SMD) とも呼ばれている表面実装型抵抗器を含め、パワー レジスタのポートフォリオを拡充し、従来以上の性能を提供しています。 

抵抗器とは、電気抵抗性の高い物質を用いて、過剰な電気エネルギーを熱に変換する、というただ1つの機能に特化して設計された単純な装置である点を、肝に銘じておく必要があります。 新しい材料や技術によって、こうした基本概念は新たなレベルへ移行しつつあります。

PCB (プリント基板) への表面実装を想定して設計された、CRG シリーズのパワー レジスタの場合を例に考えてみましょう。ほんの数年前まで、この厚膜チップ抵抗器は、画期的な性能を実現するものとして注目されていました。現在これらは、CRG シリーズ最大のパッケージであり、定格電力 1 W の 2512 レジスタなど、信頼性が高く人気のソリューションとなっています。性能と同様、従来 SMD パワー レジスタの製造に用いられてきた技術は、このところ新しい技術に取って代わられています。

現在、最新の導体や基板材料を採用して、3522 シリーズなどさらに新しい製品シリーズが作られており、レジスタの電力容量は 3 倍ほど向上し、電力対サイズ比もまた同様に向上しています。電力対サイズ比の向上によって、設計時により多くの機能を PCB に搭載できるようになり、基板レイアウトの柔軟性が高まります。

従来なら複数の低電力抵抗器を使っていたような電源回路の設計を見直して、電力定格を上げてコンポーネント数も減らす形で、設計を一新することも可能になります。こうしてコンポーネント数を減らすことで、全体のコスト削減やサプライ チェーンの効率向上を実現できます。あるいは、電力対サイズ比を上げることによって、同じ性能をより小型の抵抗器で実現できるため、基板上の限られたスペースをより効率的に利用できるようになります。 

電力対サイズ比は、抵抗器の性能と物理的サイズを比較したものであるため、この比率を改善することによって、PCB で使用するコンポーネントを小型化して、より小型化・軽量化・高速化・堅牢化を実現した高性能のデバイスを設計できるようになります。 PCB に取り付ける場合でも、シャーシにボルトで固定する場合でも、新世代のこの SMD パワー レジスタは、かさばる上、PCB 上に取り付ける際に他のコンポーネントとの間隔について制約が課されることの多い、従来型のリード設計に代わるオプションを提供します。これによって、PCB から離して取り付けるタイプの巻線抵抗器を使うという選択肢も生まれます。

SMD パワー レジスタは、リード抵抗器に比べてスリムなだけでなく、基板上のスペースをより効率よく利用するためのコンポーネントです。その結果、従来のスペースでより高機能を実現したり、従来の装置を小型化して軽量化を実現したり、といった設計も可能になります。取り付けの際は他の基板実装型コンポーネントと同じ自動処理を利用するため、メーカは組み立てコストの大幅削減を実感できるでしょう。

多くのご家庭で使われている技術を取り上げながら、SMD チップ レジスタを使用するメリットをご紹介します。 モータやパワー管理システムの設計に、より小型かつ軽量で、スリムになった SMD パワー レジスタを採用することで、掃除機では小型化・強力化が進んでいます。設計に適したコンポーネントをお探しなら、3522 シリーズなど、当社の表面実装型パワー レジスタのポートフォリオをご覧ください。これらソリューションが、設計をどのようにレベルアップさせるかをご紹介します。

必要となるパワー レジスタのタイプが決まったら、当社が提供するパワー レジスタの幅広いポートフォリオから、設計に適したソリューションを見つけてください。あるいは、 TE の製品エキスパートにお問い合わせいただければ、 電力に関する要件特定のお手伝いをいたします。