木星と探査機ジュノー

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宇宙のセンサ

TE Connectivity (TE) は、2 回目の木星最接近に挑む NASA の探査機ジュノーに搭載された負温度係数 (NTC) サーミスタで航空宇宙のイノベーションに貢献しています。TE のサーミスタは、高温における信頼できる測定値とデータの収集を保証するため、ジュノーの磁界温度を測定しています。

ロケット打ち上げの際、圧力センサはロケット表面を流れる空気にさらされます。 打ち上げ速度は極めて速く (マッハ 4 または 3,000 mph 以上)、ロケットの表面と機体に相当な空気の圧力と力がかかり、極めて過酷な環境となります。

TE Connectivity (TE) の圧力センサは、これらの力をモニタして機体の設計限界内であることを確認します。これは、NASA や航空宇宙 OEM などの企業にとって設計の中でも最も重要な部分です。 

今日の航空宇宙業界において、TE は重要なイノベーションに貢献しています。その中には、太陽エネルギーを動力源として世界を一周し、先月アブダビで飛行を完了したソーラー インパルス プロジェクトの MEMS 加速度計、2 回目の木星最接近に挑む NASA の探査機ジュノーに搭載された負温度係数 (NTC) サーミスタなどがあります。探査機ジュノーは現在 5 年間のミッション期間中で、内部のデータを集結して複雑な木星のオーロラに関する前例のないデータを送信しています。ジュノーに搭載された 7 つの科学計器により、科学者は惑星の起源、構造、大気、磁気圏に対する理解を深めることができます。ジュノーが木星に最接近したのは昨年の 8 月 27 日でした。予定ではこのミッションは 2018 年 2 月に終了し、その後木星の大気圏に突入します。 

探査機ジュノーのセンサ搭載位置

探査機ジュノーに搭載されている TE センサは、ブームに取り付けられた 2 台の磁気計です (下図を参照)。フラックスゲート磁界センサ (FGM) は、木星の磁界を測定して磁気環境の3 次元画像を作成します。ミッションによって地球以外のダイナモ作用のある惑星の磁界がマッピングされたのは、これがはじめてです。 

温度測定に使用されている TE NTC サーミスタ センサは、NASA GSFC S-311-P-18 仕様に従った延長宇宙飛行用途が認証されています。 サーミスタは小型で高感度を備え、動作温度範囲は -55°C ~ +150°C、寸法は 2.4 mm ~ 2.8 mm の範囲です。TE のサーミスタは、信頼できる測定値とデータ収集を確認するため、ジュノーの磁界温度を測定しています。 主な属性は、宇宙用レガシー機器、長期にわたる安定性、0°C ~ 70°C における ±0.20°C の緊密な公差です。

TE のサーミスタは、高温における信頼できる測定値とデータ収集を確認するため、ジュノーの磁界温度を測定しています。

ジュノーに先駆け、1970 年台初頭に初めて木星探査を果たした NASA のパイオニア 10 号にも、TE のレガシー センサが搭載されていました。TE は 1970 年代半ばから 40 年以上にわたり、NASA をはじめとする航空宇宙企業に宇宙関連用途向けサーミスタを供給しています。1970 年代のはじめに、長期宇宙飛行用途向けの当社商用 4400 シリーズ サーミスタの適性実用化について話し合うため、NASAは TE の前身センサ会社にアプローチしました。この協力体制の結果として、NASA GSFC (ゴダード宇宙飛行センター) S-311-P-18 仕様が誕生しました。TE Connectivity は、S-311-P-18 サーミスタによって NASA QPLD (認定部品リスト ディレクトリ) に登録されています。 

温度、無線周波数干渉 (RFI)、電磁障害 (EMI)、振動、落雷などの苛酷な環境に対応する高い信頼性を備えたセンサの中核的な能力を活用することによって、当社は、操縦室制御、飛行制御と作動、着陸装置およびブレーキ、客室、ギャレーおよび貨物室、エンジン、タービン、打ち上げ、宇宙探査などさまざまな航空宇宙用途向け発想を現実に変えています。 

ソーラー インパルス プロジェクトで使われている TE の MEMS 加速度計は、静電気や動的な用途に適した超安定型の MEMS 加速度計です。加速度計は、ダイナミック レンジ ±2 ~ ±200 g の一体温度補償を提供します。モデル 4610 には、機械的なオーバーロード防止機構のガス減衰された MEMS 素子が組み込まれており、5,000 g までの衝撃保護を提供します。加速度計の作動温度範囲は -55°C ~ +125°C です。 

TE は、航空機の設計と試験、自動車の設計と試験、自動車の安全性試験、機械と構造の監視、モータースポーツなどの分野で使用される、高度な設計と製造に基づく加速度計と振動センシングの世界的なリーダーです。DC 応答タイプ (静的) と AC 応答タイプ (動的) 双方の加速度計を用意して、お客様の用途のニーズにお応えしています。TE のボード レベル シリコン MEMS 加速度計および圧電加速度計は、振動監視システムに組み込めるように設計されています。