機械換気

優れた快適さと空気品質の両方を提供する HVAC には換気が必要です。 換気が不十分であると、屋内の人々が不快感を訴えることになり、健康上の問題となることさえあります。このような問題として、作業者の疲労にはじまり、商用空間でのシックハウス症候群の発生まで考えられます。医療専門家も、ウイルス粒子の希釈による COVID-19 の蔓延を防止するために換気の励行を奨励しています。換気とは、屋外の新鮮な空気を適切な量で屋内空間に取り入れることです。機械換気ではダクトとファンを使用し、新鮮な空気を取り込んで屋内空間全体に配分するほか、特定の領域から空気を排気することもあります。機械換気の利点は優れたエネルギ効率にとどまらず、導入する外気の量とその供給源を綿密に制御できることにあります。機械換気では、この水準の制御と効率を実現するために、どのベントを開き、どのベントを閉じるか、空気をどの方向に導くかを判断するためのデータを必要とします。機械換気技術を利用した 2 種類の新しい手法として、可変空気量 (Variable Air Volume: VAV) と全熱交換 (Energy Recovery Ventilation: ERV) があります。どちらの手法も一群のセンサを使用して、適切な空気流量および温度と湿度に対する正確な制御を確保しています。屋内の各ゾーンで空気流量をモニタして適切な量に維持し、システムにある各フィルタの目詰まりを防止するには、基板上に実装した差圧センサの存在が重要です。各ゾーンの温度をモニタし、制御するには、ダクトに設置した平均温度センサの利用が効果的です。また、30 ～ 50% の理想的な屋内湿度を維持するには、屋内の各ゾーンと屋外との湿度差をモニタすることが有用です。インフルエンザなどのウイルスによる感染率を下げるには湿度が高い方が有利で、微生物の成長を抑えるには湿度が低い方が有利ですが、人間が快適に過ごすには、この 30 ～ 50% の範囲が適切です。TE Connectivity (TE) では、温度と湿度の両方をモニタできる HTU センサ シリーズを製造しています。これらのセンサでは、湿度を ±2%RH、温度を ±0.2°C の精度で測定できます。