適切な抵抗器を選択するには、抵抗器のカラーコードについて理解する必要があります。

カラーコードの読み方

電子機器業界では、早期に共通の色分けの標準化が確立され、そのおかげで機器設計者は抵抗器やその他の部品を一目で識別できるようになりました。

今日の抵抗器でも、同一のカラー システムが使用されています。これはごく最近、IEC 規格 60062 によって体系化されたものです。 この IEC 規格では、RKM コードも定められています。RKM コードとは、小数点が読み取りにくい小さな部品で抵抗値と静電容量値を識別するための簡易コード システムです。TE では、一部の電子部品の識別にこれらのシステムを採用しています。

当社の抵抗器のデータ シートでは、RKM 簡易コードを使用して抵抗値を表現しています。これらのコードについて知らない方のために、以下に簡単に説明します。 プレフィックスが付いていない抵抗値では、小数点の代わりに文字「R」が使用されます。たとえば、1R0 は 1.0 Ω 抵抗器の簡易表現です。2 Ω など、抵抗値の有効数字が 1 桁だけの場合は、2R0 の形式が使用されます。抵抗値がキロオーム (kΩ) の場合は、「K」が小数点の代わりになります。したがって、1K5 は 1.5 kΩ (1,500 Ω) の抵抗器を示します。同様に、「M」は MΩ、「G」は GΩ を表します。次の表に、代表的な抵抗値の RKM コードの例を示します。

抵抗器のカラーコード: 抵抗値

抵抗器のカラーコード: 抵抗値

プリント基板 (PCB) 上の抵抗器。

抵抗器のカラーコードの読み方。 多くの小型抵抗器には、3 バンド、4 バンド、5 バンド、6 バンドのいずれかで表現された IEC 60062 カラーコードが付いています。バンドの本数は、抵抗値の必要な精度によって異なります。抵抗器のカラーコードは、部品の一番端のバンドから読み取ります。また、乗数バンドと許容差バンドの間隔は、数字と乗数の間隔より若干広くなっています。

抵抗器のカラーコード表: 3 および 4 バンド抵抗器

抵抗器のカラーコード表: 3 および 4 バンド抵抗器

3本表示

3本表示(3 バンド)抵抗器は、抵抗値の許容差が ±20% で、通常は趣味の工作や抵抗値がそれほど重要でない場合に使用されます。3 バンドの 1R0 (1 Ω) 抵抗器の場合、バンドの色は茶、黒、金です。抵抗値は 1.2 Ω ~ 0.8 Ω の範囲になります。

抵抗器のカラーコード 3 バンド抵抗器

抵抗器のカラーコード: 3 バンド抵抗器

4本表示

許容差を 20% 未満に抑えなければならない場合は、許容差を指定するバンドが追加された 4本表示(4 バンド)抵抗器を使用します。許容差が ±5% の 1K5 (1,500 Ω) 抵抗器の場合、バンドの色は茶、緑、赤、金です。この場合、抵抗値は ±75 Ω の範囲で変動する可能性があります。

抵抗器のカラーコード: 4 バンド抵抗器

抵抗器のカラーコード: 4 バンド抵抗器

抵抗器のカラーコード表: 5 および 6 バンド抵抗器

抵抗器のカラーコード表: 5 および 6 バンド抵抗器

5本表示

より高精度が必要な用途に使用される5本表示( 5 バンド)抵抗器では、有効数字の桁数を増やすために 3 つ目の数字を指定できるようになっています。270K (270,000 Ω) 抵抗器では、抵抗値を示すバンドの色は赤、紫、黒、オレンジになります。銀のバンドは、抵抗値が 243K Ω ~ 297K Ω の範囲になることを示します。

抵抗器のカラー コード: 5 バンド抵抗器

抵抗器のカラー コード: 5バンド抵抗器

6本表示

高精度抵抗器には、抵抗の温度係数 (TCR) が指定されています。TCR は、抵抗値に対する温度の影響を 25°C (77°F) と比較して定量化したものです。抵抗の変化は ppm/°C で測定されています。ここで、ppm = ΔR/R (定格値の 1 Ω あたりの抵抗の変化) です。たとえば、抵抗値が 68 MΩ、許容差が ±5%、抵抗の温度係数が 250 ppm/°C の高精度抵抗器のカラーコードは、次の図のようになります。

抵抗器のカラー コード: 6 バンド抵抗器

抵抗器のカラー コード: 6 バンド抵抗器