湿度センサの設計課題

湿度は、空気中に存在する水蒸気の量です。人間の目には見えませんが、私たちは湿度を感じることができます。湿度により、実際の温度よりも暑く感じることがあります。そして、地球のさまざまな地域、特に赤道付近に旅行したことのある人々にとって、空気は熱くて重く感じられ、蒸し暑く、蒸気が回っているような気分になります。この不快感は温度だけではなく「相対湿度」によるものです。23 °C (75 °F) で相対湿度が 80% 以上の場合、26.6 °C (80 °F) のように感じられます。湿度は私たちの日々の活動で重要な役割を果たしています。湿度は、人間の個人的な快適さに直接関係する (暑い時期に食糧を新鮮に保ち、HVAC システムを稼動させる) 場合もあれば、未熟児に適切な湿度を与えて新生児のケアと成長を確保するなどの、生命に関わるような重要な状況もあります。私たちの環境を正確に制御する能力は今日の世界の多くで当然のこととして期待されていることであり、センサなしでは不可能です。 

TE Connectivity (TE) の湿度と温度の複合センサは、極端な変化や状況においても、クラス最高の応答時間、測定精度、長期間続く性能を発揮します。実際に、当社は最前線に立って、デジタル、ワイヤレス、およびその組み合わせによるソリューションなど、さらにスマートで効率的な用途を実現するセンサ技術開発に取り組んでいます。ここでは、設計エンジニアが直面している最大の課題と、これらの課題に対応するために TE の HTU2x 湿度と温度の複合センサがどのように設計されているかを詳しく説明します。

うだるような暑さ、凍えるような冷たさ、湿度が高いか低いかにかかわらず、最も信頼性の高い性能を達成するには、すべての湿度および温度範囲で同じシステム効率が必要です。これは、外部の環境条件に関係なく、センサは常に最適な状態で動作する必要があることを意味します。線形応答性が重要です。温度と湿度の変化にかかわらず、測定の精度と安定性は、センサで一定している必要があります。これは、環境が産業用途や家電用途などの変化に敏感な用途では重要です。一例として、センサは、線形応答性と最小のヒステリシスを有することによって正確な測定ができるように設計する必要があります。その良い例は、暑い夏の日であろうと雨の多い冬の屋外であろうと、ユーザーの快適ゾーンを維持するためにシステムが気温と湿度を調整している HVAC 用途です。湿度センサは、相対湿度が大きく変化する段階を通じて、季節ごとに、その応答を線形に保つ必要があります。システムは、住宅やオフィスの快適性に影響を与える可能性のある季節の移り変わりに適応する必要があります。HTU2x の線形応答曲線は、HVAC システムが条件に関係なく同じ性能を維持できるようにします。

用途によっては、環境の変化をすべて検知して迅速に反応し、システム全体でクラス最高の性能を発揮できるように設計する必要があります。高速の応答時間は産業に欠かせないものです。正確な測定を行うだけでは十分ではありません。センサは環境の変化を迅速に検出し、必要なレベルを維持するために、アプリケーション内の動作をトリガーする必要があります。一例として、気象観測気球は、現代の気象予報に大きく貢献しています。大気の上層の状態を知らずに天候を予測することは、ほとんど不可能です。海上レベルでは晴れていて穏やかかもしれませんが、5,486 メートル (18,000 フィート) のところでは、弱い暴風雨がすぐに危険な嵐に変わる可能性があります。気象学者は気球の集団を定期的に飛ばすことによって、上空の状況を測定し、暴風雨の発生を定期的にチェックすることができます。 

極端な状況にさらされた後、システム性能が損なわれることがあってはいけません。低いヒステリシスは重要な性能です。重要な結露が生じた後でも、センサは正確な測定性能を維持する必要があります。一例として、湿度が元の点に戻ると、アプライアンスの乾燥サイクルは自動的に停止します。ヒステリシスが低いと、「内部」部品が乾燥しているときにアプライアンスを損傷することなく、オンタイムで乾燥サイクルを停止することができます。HVAC システムの別の例では、秋と冬の長期間にわたって極めて高い湿度にさらされた後でさえ、HVAC システムは暑い夏とまったく同じ性能を発揮します。

HTU センサは、応答時間が速いため、異なる大気層の相対湿度を正確に検出します。これにより、これらの天候の変化を予測し、雲を横切ったときに偽の情報を送信するなどの警戒すべき状況を回避できます。関連する別の例としては、アプライアンス用途があります。夏に冷蔵庫のドアを開けると、熱い空気が冷蔵庫に入り、結露と相対湿度の上昇をもたらす結果、内壁に霜や冷凍焼けが発生します。TE の湿度ダイ構造は、業界をリードする 2 秒の応答時間を実現します。この高速の応答時間により、システムはリアルタイムで直ちに反応することができ、そのような状況を回避できます。つまり、凍結を防止する結果、霜取りサイクルが短縮され、エネルギ効率が向上します。

今日、OEM はセンサのようなスマートなソリューションで製品を革新していますが、悪影響を与えることなくそれらのソリューションを製造プロセスに統合する必要があります。TE の HTU センサは、完全に校正された標準化されたパッケージに統合し、制約なしにプリント回路基板に統合することができます。アセンブリ プロセスを大幅に変更することなく、次世代のシステムをよりスマートな用途にアップグレードすることをご検討されている場合は、TE の HTU センサをお試しください。これは標準の SMD アセンブリ プロセスと互換性があります。