LVDT に対する温度の影響
LVDT 位置センサの性能と選択に温度がどのように影響するかをご覧ください。
これまで 50 年以上にわたり、LVDT 線形位置センサは、さまざまなラボ、産業、ミリタリおよび航空宇宙用途において、線形位置フィードバックを提供する信頼性の高いツールとされてきました。 本質的に信頼性の高いデバイスである LVDT 位置センサは、幅広い動作温度でマイクロ インチから 2 フィートまで高精度の線形変位測定値を提供する能力を備えています。LVDT 線形位置センサの出力安定性は多くの用途に適していますが、温度に伴う変化に対する影響は免れられません。特に航空機、海中設備、ターボ機械などの特定の用途では、温度の影響が顕著に表れることがあります。
出力信号の温度変位
温度変化は、機械的膨張と LVDT の電気的特性の変化という 2 つの異なる形で LVDT の出力信号に影響を与えます。 機械的膨によって、LVDT のコアと LVDT の巻線の間に相対運動が生じます。 正味の影響は、ゼロシフト誤差を生成する虚偽のコア移動信号です。 一次入力電流の変化またはコア材料の磁気特性によっては、温度が LVDT の電気的特性に影響することもあります。 これにより、スケール ファクタの変化またはスパンシフト誤差が生じます。
AC LVDT と DC LVDT の出力信号の比較
電子部品をセンサから離れた位置に設置した場合、AC 駆動 LVDT 位置センサの最大動作温度は 300°F です。一方、本体に電子部品を内蔵する DC 駆動 LVDT 位置センサでは、電子信号調整モジュールの材料特性による制限があります。DC-LVDT は、温度がほぼ一定であれば、–40°F の温度でも使用できます。
外気温
AC 駆動および DC 駆動 LVDT の動作において、外気温の変化は予測可能な影響です。AC-LVDT の一次電流の変化は信号調整で対応できますが、スペースに制限のある DC-LVDT ではこの方法は使えません。
LVDT 材料に対する温度の影響
LVDT コア材料の磁気特性に対する温度変化の影響は小さく、通常の動作温度範囲では変圧器動作への影響はほとんどありません。LVDT 材料の膨張熱係数の影響をオフセットするため、LVDT は中央から両端に向かって対称的に膨張するように構成されています。新しい構成技術と材料により、極端な高温と低温などの過酷な環境下で LVDT の使用が実現します。カスタム LVDT は、400°F の連続使用温度で動作するように設計できます。高温度定格は、特殊な高融点はんだ付けなどを含む線形位置センサ用の特殊な構成材料を使って達成されます。
温度誘発抵抗の変動
変圧器温度の上昇により、一次コイルと二次コイルに通常巻かれている銅線の抵抗が増大します。この抵抗増大の最も直接的な影響は、一次インピーダンスの増大です。
一次電流の安定化
定電流の励起源は明らかですが、それが温度の影響に対応する実用的なソリューションであるとは限りません。定電流源が利用できない場合は、直列の大きな外部抵抗を一次電流に接続することによって多少安定させることができます。