カーボン ファイバ上の加速度センサ

50 g 以上を測定する場合にあなたに尋ねる 5 つの質問

トレンド レポート

過酷で複雑な環境での製品の研究・開発・試験では、加速度計によって非常に貴重なデータを得ることができます。 しかし、産業によっては、特に高い g 力で測定を行うときにそのデータの収集が困難な場合があります。そして、加速度計の有用性はその精度次第であるため、使用する加速度計を選ぶ前にそれらの課題に何が役立つかをよく考えることを求められます。

このレポートの内容
質問 1

測定や試験に予測されるダイナミック レンジは?

質問 1

高い g 力試験の結果を予測することは困難なこともあり、センサに必要となるフルスケール レンジは慎重に考えて決めなければならない場合があります。
加速度計の使用にあたって使用に堪える試験結果を得て測定レンジが加速度計の FS 出力を超えないようにするために十分な余裕を取る必要があります。余裕を十分に取らずに加速度計の上限よりも g 力が大きくなった場合は、信号が切り取られて試験結果が役に立たなくなります。
ベスト プラクティス基準から見て、デバイスのフルスケール レンジの 30 ~ 40% 以内に結果が収まり、かつ 10% 未満にならないようにすることが必要です。
低すぎると測定分解能が下がる可能性があります。
質問 2

測定帯域幅は?

質問 2

選択する測定帯域幅は多くの要素、特に試験の種類と衝突面によって異なります。
たとえば、ゆるやかな落下を測定するのであれば狭い帯域幅でよいでしょう。しかし、軍需品や自動車衝突などの高衝撃試験でピークの g を測定するのであれば、より広い帯域幅が必要です。
そして、衝突面が重要な理由もここにあります。金属同士の非常に激しい衝撃によって帯域幅の広い加速度計が共振で壊れることがあります。
この問題に対しては、減衰加速度計を使用することで共鳴を防止して正確な測定を実現することができます。
 
質問 3

試験中のセンサの取り付け方は?

質問 3

これまで述べたきたように、用途の把握は必要となる加速度計タイプを選ぶ上で有効です。しかし、加速度計の設置方法や配置方法を把握することも重要です。
「どうやって」と「どこに」、というこれらの質問によって、設計、ビルド、試験条件に関する考慮点を明確することができます。
最善の結果を得るには、装置に加速度計をしっかりと取り付けなければなりません。加速度計をデバイスに接着するためにはシアノアクリレートなどの材料を使用できますが、ほとんどのエポキシや接着剤は使用を避けるべきです。なぜなら、それらは余計な湿し水として機能して、加速度計に記録される前にエネルギを吸収してしまうからです。
そのような「詰物」は、不正確な試験結果を招くことになります。
質問 4

試験を行う条件は?

質問 4

すべての加速度計は特定の温度範囲公差に補償されますので、正確な読み取りのためには試験条件を知っている必要があります。
しかし、気温だけが重要というわけではありません。加速度計が取り付けられるデバイスの温度や、その他、影響を及ぼす可能性のあるあらゆる環境条件が重要です。
湿度、雪、高度および水浸などの条件は、それらの状況に晒されても堪えられる加速度計タイプを選ぶという点で役に立つことがあります。
天候とは関係ありませんが、EMI (電磁干渉) も考慮する必要があります。これは、たとえば、工場や Formula 1 レースの用途で巨大なモータに取り付ける場合に特に重要になります。
EMIから保護するために、電圧抑制装置や内部シールドで加速度計を保護することができます。
どの条件であってもその内容を知ることが重要です。そして、それらの条件で最もよく機能する加速度計を選択することです。なぜなら、この状況におけるリスクは不正確な結果が生じることではないからです。デバイスの故障がリスクです。
質問 5

必要な測定パラメータは?

質問 5

加速度計の機能は g 力の加速度を測定することですが、速度と変位を測定することもできます。

それらのいずれかのデータ ポイントの測定する場合は DC デバイスが必要です。

圧電型加速度計を使用しても速度と変位を測定できると考える人もいますが、それは複数の研究によって否定されています。その理由は、圧電性結晶固有の特性と、本当の「0」の測定値を返すのに必要な時間です。

圧電型加速度計を使用してピーク加速度を知ることはできますが、出力データで積分が行われると PZT 結晶によって生じる固有のゼロシフトによって速度と変位の結果が不正確になります。

まとめ

まとめ

高い g 力においては、研究、開発、試験用のデータ収集に独自の課題があります。

衝撃・インパクト・落下を測定する試験のためにラボで加速度計を使用する場合も、建設機器・検層器・自動車衝突などの試験のために現場で加速度計を使用する場合も、これらの質問を使って正確で再現性のある線形の結果を確実に得ることができます。