NTC サーミスタの基本

Q: NTC の応答時間はどの程度ですか?

A: 応答時間は、サーミスタの温度が初期の温度差の 62% 変化するまでの時間として定義され、熱時定数で表されます。センサの体積が小さくなるほど、応答速度が速くなります。ディスクリート型センサの応答時間は、金属ハウジングの中に実装された同一のセンサより高速です。シリーズ I NTC サーミスタ センサの通常の応答時間は 15 秒です。

 

Q: 小型の NTC はありますか?

A: エポキシ被膜されたディスクリート型の通常のサイズは、最大外径 0.95 インチです。小型のガラス センサの場合、最大外径は 0.15 インチです。

 

Q: NTC センサの安定性はどの程度ですか?

A: センサの安定性定格は、センサ ファミリによって異なります。 エポキシ被膜の NTC は、密閉シール済みガラス NTC センサに比べて安定性が劣ります。 

 

詳しくは、 NTC サーミスタ センサ性能 | アプリケーション ノートをご覧ください。

 

Q: 用途に対応する抵抗値の選び方を教えてください。

A: 大まかには、低温の用途には抵抗値の低いセンサを使い、高温の用途には抵抗値の高いセンサを使います。 選択の目安としては、対象とする使用温度範囲に規定された抵抗値があることです。

 

詳しくは、 NTC サーミスタ試験に関する考慮事項 | アプリケーション ノートをご覧ください。

 

Q: NTC は極低温用途で使えますか?

A: 使えます。ただし、-200°C における精度は数学的モデルに基づくものです。

 

Q: NTC の価格帯を教えてください。

A: 価格設定はコストに基づいています。コストは生産量に関連しています。精度が厳しいほど、生産量も少なくなります。

Q: サーミスタと RTD の違いは何ですか?
A: TE では、5 つの異なる技術を応用した温度製品を製造しています。各技術にはそれぞれ利点と欠点があり、用途に最適な技術は、温度範囲、要求される精度、応答時間、コストなどのさまざまな要素に依存します。 お客様に最適な製品または技術を判断するには、用途をできる限り詳しく理解することが一番の近道です。
 

TE の各種温度センサ技術の性能および用途の違いについて定義している、インフォグラフィックをご覧ください。

 

NTC 101 ウェビナーに関するご質問

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NTC 101: 負温度係数 (NTC) センサの基本、技術の比較、用途など

 

Q: % 表示の許容差を実際の温度係数に換算する方法を教えてください。

A: 温度精度を決定するには、偏差合計 (抵抗許容差) を対象温度に対応する抵抗温度係数 α (%/°) で割ります。 
例: TE 曲線 #3 に続いて 0°C で 2% の抵抗値を持つセンサは、0°C での抵抗温度係数 α は 5.2 %/°C です。従って、2 ÷ 5.2 = ± 0.38°C となります。     

 

Q: 経時変化する長期間にわたる抵抗 (安定抵抗性) は、サーミスタの精度仕様に含まれていますか?

A: 含まれていません。精度仕様に記載されている精度はセンサ出荷時の精度です。 当社では、用途やセンサが現場で受ける環境条件を制御できません。  

 

Q: 温度精度について表す場合の '%' は何を意味しているのですか?
A: センサの精度は、シングル ポイントまたは温度範囲にわたって抵抗値許容差 (Q 9 を参照) または温度精度のどちらかで指定されます。例: 0°C ~ +70°C の温度範囲の許容差 ±0.2°C

 

Q: 感度分解能について詳しく説明してください。値が大きいほどよいのはなぜですか?

A: 高感度だとリード ワイヤ抵抗がなくなります。 付随する電子回路も簡略になります。 10,000 Ω サーミスタに対する 1°C の変化は、4.4% または 440 Ω です。 100 Ω プラチナ温度センサに対する 1°C の変化は、1 Ω の 3 分の 1 になります。

 

Q: 安定性のグラフの Y 軸は何を表しているのですか?
A: Y 軸には、スケールの実際の数字が意図的に使われていません。劣化の割合は、材料配合とサイズ形状により異なります。

 

Q: キャリブレーションの方法についてもう少し詳しく説明してください。 高精度の医療用途では、キャリブレーションにどのような装置や技法が使われていますか? ベスト プラクティスと考えられる方法は何ですか?
A: 詳細については、アプリケーション ノート NTC サーミスタ試験に関する考慮事項 を参照してください。

 

Q: 最適な精度と速度の電子回路として何が推奨されますか? (opamps、ADC など)

A: 精度に対応する測定回路設計の最も重要な課題は、部品を流れる電流を制限することです。NTC 抵抗の仕様は、ゼロ負荷抵抗値とされています。真のゼロ負荷回路は不可能ですが、電流はセンサ素子の自己発熱を発生させないまで低くする必要があります。放散定数を利用すると、任意の出力に対する自己発熱ミスの量を予測することができます。

 

Q: 10K または 20K NTC に対応する分圧器調整を使用する場合、電気ノイズの点で 20 フィートから 60 フィートの長さのワイヤに関して特に注意すべきことはありますか? 

A: ノイズ効果を軽減するには、長いワイヤにケーブル シールドかフェライト フィルタを取り入れるとよいでしょう。平均化という方法もあります。  

 

Q: 金属表面にサーミスタを装着させる場合、どのような注意が必要ですか?

A: 接着剤は、表面の温度測定用にサーミスタを取り付ける用途で広く使われています。 エポキシなどの熱伝導性接着剤が最適です。

 

Q: リチウム バッテリーに対応する標準 NTC はありますか?

A: バッテリー パックに対応する標準 NTC はありません。 利用可能なスペース、最高温度、アセンブリ法によって、通常選択肢は異なります。 この用途に使用されるサーミスタには、絶縁リード線エポキシ被膜ディスクリート型サーミスタ、SMD サーミスタ、DO35 ガラス アキシャル サーミスタなどがあります。

 

Q: サーミスタ リード線の抵抗溶接に関するホワイトペーパーや技術情報はありますか?

A: 今のところありません。使用されるリード ワイヤ合金は、合金 180 (Cu-Ni 系)、銅、ニッケルまたはジュメット (Fe-Ni 系) です。 溶接方法は、合金のタイプによって異なります。

 

Q: 医療用体温計用途には、どのようなタイプの NTC サーミスタが推奨されますか?

A: 400 シリーズは、アナログ時代から業界標準とされています。この体温計は、2 点間温度 25/85°C の β 定数 3976 で、37°C における抵抗値は 1,355 Ω です。医療用体温計の規格は、通常 32 ~ 42°C で精度 ±0.1、測定システムに対しては 25 ~ 50°C または 0 ~ 50°C で精度 ±0.2 とされています。その精度公差の 1/2 はサーミスタに、残りの 1/2は測定回路によるものです。