RTD とサーモカップルの基礎
Q: RTD とは何ですか?
A: RTD (測温抵抗体) は、温度変化によって抵抗値が変化するセンサです。センサの温度が上昇すると、抵抗値が大きくなります。抵抗と温度の相関関係はよく知られており、長期的な再現性があります。
RTD は受動素子です。RTD 自体は何も出力しません。外部電子装置を使用して少量の電流を RTD に流して電圧を発生させることにより、RTD の抵抗を測定します。
詳しくは、RTD の仕組みをご覧ください。
Q: サーモカップルとは何ですか?
A: サーモカップルは、2 種類の導体 (通常は金属合金) で構成された温度測定素子です。2 種類の導体が接合する先端部分の温度差に比例して電圧が発生します。一般的な温度測定法とは異なり、サーモカップルは自己出力型であるため、外部の励起電力を必要としません。
詳しくは、サーモカップルの種類をご覧ください。
Q: RTD とサーモカップルはどこが違うのですか?
A: RTD とサーモカップルは、主に温度範囲、精度・安定性、応答時間の 3 つの特性が異なります。
温度:
- RTD: 温度範囲が狭い: -200°C ~ +600°C
- サーモカップル: 温度範囲が広い: -200°C ~ +2,000°C
精度・安定性:
- RTD: 精度が高く、長期にわたって安定性を維持
- サーモカップル: RTD より精度が劣る、短期間でドリフトが生じる可能性がある
応答時間:
- RTD: 1 ~ 7 秒
- サーモカップル: 1 秒未満
詳しくは、RTD とサーモカップルの比較をご覧ください。
Q: 用途に応じた温度センサの選び方を教えてください。
A: 使用する温度センサのタイプは、主に次の 2 つの要因によって決まります。
1.ひとつは、現在プロセス制御装置を使用しているかどうかです。現在すでにプロセス制御システムを使用している場合は、その装置によって必要な温度センサのタイプが決まります。
2.もうひとつの要因は、新しいプロセス制御システムを構築しようとしているかどうかです。新しいプロセス制御システムを構築する場合は、100 Ω プラチナ RTD の使用をお勧めします。このセンサ タイプは、入手しやすいだけでなく、市販されているさまざまな制御・監視装置がこのセンサ タイプに対応しています。
Q: 3 線式のリード線は、2 線式のリード線に対してどのような利点がありますか?
A: リード線は抵抗を歪め、その結果温度測定値に誤差が生じます。リード線が長いほど抵抗のオーバーリードは大きくなり、測定値が測定対象物の実際の温度より高くなります。リード線を 3 本にすると、他の 2 本のリード線の読み取りの影響を相殺できます。
Q: プラチナ RTD 素子に異なる抵抗温度係数 (α) 曲線があるのはなぜですか?
A: 抵抗温度係数 (α) 曲線は、すべてのメーカを対象とした規格を策定する目的で、さまざまな機関や団体 (政府機関、業界団体など) が規定しています。その中には、再現可能な曲線を提供する独自の技術を持ったメーカが単独で開発したものもあります。
Q: 用途に適した抵抗温度係数 (α) 曲線の選び方を教えてください。
A: 特定の用途に対応する抵抗温度係数 (α) 曲線を選ぶ場合は、次の点を考慮します。 1.既存の機器、または使用予定の機器。センサおよびセンサの入力曲線が一致している必要があります。 2.コスト。α = 0.003926 を達成するには、α = 0.003850 よりコストがかかります。
Q: トランスミッタはどのような場合に必要になりますか?
A: トランスミッタが必要になる理由としては、以下が挙げられます。
1.センサの信号出力を増幅する。センサが計測機器から離れている場合、またはセンサの出力信号を歪めるノイズがある場合は、トランスミッタが不可欠です。
2.温度測定の機能を向上させる。
3.センサ信号を 0 ~ 20 mA や 4 ~ 20 mA などの標準信号に変換する。
Q: 薄膜素子と巻線素子の主な違いは何ですか?
A: 薄膜素子は、フォトリソグラフィと呼ばれる非常に高度な技術を使って製造されています。この技術により、従来の巻線素子より堅牢、小型、かつ高精度で費用対効果の高いセンシング素子を実現できます。巻線素子の製造には多くの労力を必要とするため、薄膜素子より価格が高くなる傾向があります。
Q: 「素子」とは何ですか?
A: 「素子」は、実際に測定を行うコンポーネントです。実行する機能と製造技術に基づき、素子はコイルまたはその他のパターンによって信号を出力します。この出力された信号を使用して、エネルギーの各種特性の変化を測定します。
Q: 冷接点とは何ですか?
A: 接点は、2 種類の異種金属が接触する点です。
1.冷接点は基準接点とも呼ばれ、既知の一定温度に保たれるサーモカップルの接点です。この目的で使用される基準温度は 0°C (32°F) です。
2.熱接点は測温接点とも呼ばれ、対象の物体または環境の温度を検知する測定する側の接点です。
Q: 接地型サーモカップルの長所と短所を教えてください。
A: 接地型接点は、接点がパッケージング・保護ケース・金属ケースと接触します。これにより、応答時間は速くなりますが、接地された先端部は環境における起電力の影響を受けやすくなり、測定に誤差が生じる可能性があります。それに対して、非接地型接点は金属ケースと接触しません。応答時間は遅くなりますが、読み取り値の誤差が生じる可能性は小さくなります。