リレー故障の原因の特定
全般的な注記
- 新品のリレー (パッケージから取り出したばかりのもの) は、「指定された最小接点負荷」またはそれ以上の負荷で機能を試験できます。
- 使用済みのリレー (取り付け済みのもの、または負荷電流のスイッチングを行ったもの) は、高い電圧および電流 (通常は約 12 V、100 mA (または 500 mA)) で機能を試験する必要があります。品質部門または製品エンジニアリング部門にご相談ください。
- 新品のリレー (パッケージから取り出したばかりのもの) は、その接触抵抗に対してデータシートで指定されている負荷電圧および負荷電流で、接触抵抗試験に合格する必要があります。
- 使用済みのリレー (取り付け済みのもの、または負荷電流のスイッチングを行ったもの) については、取り付け後または使用後に信頼性の高い接触抵抗試験を実施することはできません。これは、通常のスイッチングから生じる孔食と、接点の表面に蓄積するアーク残留物が原因です。機能試験は、この点を念頭に置いて実施してください。
- 大きな接点を持つリレーおよびコンタクタは、より高レベルでの機能試験が必要となり、一般的に「新品」の接触抵抗は指定されていません。製品エンジニアリング部門にご相談ください。
回路内でのリレーの検証
- リレーが接点をクローズ (またはオープン) できない場合など
接点性能の検証 (クローズ (NO) またはオープン (NC) になるか)
- DC 6 V、100 mA 以上の条件で接点を監視します (「信号」レベルのリレーを除き、常に DC 12 V、500 mA の条件での実施が推奨されます)。
- オーム計またはデジタル ロジック レベルを使用して接点を監視しないでください (デジタル ロジック レベルは、良品のリレーと適切な制御動作をスクリーニングする自動試験器で使用できますが、ロジック レベルの条件下での接点不良は、試験対象のリレーまたは制御の問題を示唆しない (つまり偽エラーである) 可能性があるため、最小負荷定格以上の条件で実施するスクリーニングのバックアップ手段も用意する必要があります)。
K1 = 試験対象のリレー接点。
V1 = 最小定格電圧。
R1 = K1 接点を流れる最小定格電流 (ランプを含む) を設定する抵抗を選択する。
L1 = インジケータ ランプ (V1 での定格)。
コイル駆動回路の検証
- リレーのコイル端子に印加される電圧を測定します
- 最小電圧以上か?
- 「はい」の場合は、アーマチュアの動作音が聞こえる (または動作が見える) か?
- ビビリ音が聞こえるか?
DC コイルの場合:
- ビビリ音が聞こえる場合は、コイル電圧として円滑にフィルタ処理された DC が印加されているか?
- 「はい」の場合は、PCB からリレーを慎重に取り外し、以下の「PCB 外」の方法を使って評価します。
AC コイルの場合:
- ビビリ音が聞こえる場合は、コイル電圧として、正常な 50 または 60 Hz の電力が公称定格値で印加されているか?
- 「はい」の場合は、PCB からリレーを慎重に取り外し、以下の「PCB 外」の方法を使って評価します。
- 上記のすべてについて問題がない場合は、以下の「PCB 外」の方法に進みます。
回路外 (PCB 外) でのリレーの検証
リレーが作動しない場合、またはビビリ音が聞こえる場合: (AC または DC コイル)
- コイル抵抗を測定し (ここではオーム計を使用できます)、仕様と比較します。
- 開路コイル (無限抵抗) の場合は、評価のために返品します。
- コイル抵抗が仕様に適合していない場合は、コイルが取り外しプロセスや印加電圧によって加熱されていなかったことを確認するため、1 時間待ってから再試験を行います。
- それでも仕様に適合していない場合は、評価のために返品します。
- 抵抗値が仕様に適合している場合は、以降の手順を進めます。
- オーム計またはデジタル ロジック レベルを使用して接点を監視しないでください (デジタル ロジック レベルは、良品のリレーと適切な制御動作をスクリーニングする自動試験器で使用できますが、ロジック レベルの条件下での接点不良は、試験対象のリレーまたは制御の問題を示唆しない (つまり偽エラーである) 可能性があるため、最小負荷定格以上の条件で実施するスクリーニングのバックアップ手段も用意する必要があります)。
DC リレー
- 適切にフィルタ処理された DC 電圧を公称値として指定されたレベルで印加する
- DC 6 V、100 mA 以上の条件で接点を監視します (「信号」レベルのリレーを除き、常に DC 12 V、500 mA の条件での実施が推奨されます)。
- オーム計またはデジタル ロジック レベルを使用して接点を監視しないでください (デジタル ロジック レベルは、良品のリレーと適切な制御動作をスクリーニングする自動試験器で使用できますが、ロジック レベルの条件下での接点不良は、試験対象のリレーまたは制御の問題を示唆しない (つまり偽エラーである) 可能性があるため、最小負荷定格以上の条件で実施するスクリーニングのバックアップ手段も用意する必要があります)。
- 接点が正常に動作しているか?
- 問題ない場合は、試験を複数回繰り返して、一時的な状態でないか確認します。
- それでも問題ない場合:
- 試験対象の制御の問題である可能性があります。
- 試験で使用するテスタの問題である可能性があります。
- リレーで発生した一時的な状態であり、はんだ除去時および取り扱い時には見られなかったものと思われます。
- 可能であれば、試験対象の制御にリレーを戻し、再試験を実施します。
- 今度は合格するようであれば、リレー、制御、またはテスタの一時的な問題であった可能性があります。
- 引き続きテスタで不合格となる場合は、制御またはテスタで何らかの問題が発生しています。
- 制御およびテスタの問題を調査します。何も見つからない場合は、評価のためにリレーを返品します。
- 接点が適切に動作しない場合、またはリレーからビビリ音が聞こえる場合は、評価のために返品します。
AC リレー
- 安定した AC 電圧を公称値として指定されたレベルで印加する
- DC 6 V、100 mA 以上の条件で接点を監視します (「信号」レベルのリレーを除き、常に DC 12 V、500 mA の条件での実施が推奨されます)。
- オーム計またはデジタル ロジック レベルを使用して接点を監視しないでください (デジタル ロジック レベルは、良品のリレーと適切な制御動作をスクリーニングする自動試験器で使用できますが、ロジック レベルの条件下での接点不良は、試験対象のリレーまたは制御の問題を示唆しない (つまり偽エラーである) 可能性があるため、最小負荷定格以上の条件で実施するスクリーニングのバックアップ手段も用意する必要があります)。
- 接点が正常に動作しているか?
- 問題ない場合は、試験を複数回繰り返して、一時的な状態でないか確認します。
- それでも問題ない場合:
- 試験対象の制御の問題である可能性があります。
- 試験で使用するテスタの問題である可能性があります。
- リレーで発生した一時的な状態であり、はんだ除去時および取り扱い時には見られなかったものと思われます。
- 可能であれば、試験対象の制御にリレーを戻し、再試験を実施します。
- 今度は合格するようであれば、リレー、制御、またはテスタの一時的な問題であった可能性があります。
- 引き続きテスタで不合格となる場合は、制御またはテスタで何らかの問題が発生しています。
- 制御およびテスタの問題を調査します。何も見つからない場合は、評価のためにリレーを返品します。
- 接点が適切に動作しない場合、またはリレーからビビリ音が聞こえる場合は、評価のために返品します。
一般的に実施される特殊試験および試験の考慮事項
AC リレー (およびフィルタ処理されていない、あるいは部分的にフィルタ処理された電力が印加された DC リレー):
- AC リレーで (「ビビリ音」ではなく)「ハム音」も発生することがある
- ビビリ音 (上記のとおり) が聞こえる場合は、接点でチャタリングが発生するのが一般的です (断続的な発生)
- ある程度のハム音は、ほぼすべての AC リレーで発生します。
- 環境音のレベルにもよりますが、通常、ハム音はユーザーにとって不快なものでしかありません。ハム音の音量は、同じリレーであっても、連続する動作ごとに変化する場合があります。これは、内部部品が動作ごとに必ずわずかに移動するためです。
- 通常発生するハム音の音量は、リレーごとに異なります。
- AC リレー (およびフィルタ処理されていない、あるいは部分的にフィルタ処理された電力が印加された DC リレー):
- AC リレーで (「ビビリ音」ではなく)「ハム音」も発生することがある
- ビビリ音 (上記のとおり) が聞こえる場合は、接点でチャタリングが発生するのが一般的です (断続的な発生)
- ある程度のハム音は、ほぼすべての AC リレーで発生します。
- 環境音のレベルにもよりますが、通常、ハム音はユーザーにとって不快なものでしかありません。
- ハム音の音量は、同じリレーであっても、連続する動作ごとに変化する場合があります。これは、内部部品が動作ごとに必ずわずかに移動するためです。
- 通常発生するハム音の音量は、リレーごとに異なります。
- 過度のハム音が常に発生するリレーは、評価のために返品する必要があります。
- 半波形または全波形整流され、不完全なフィルタ処理が行われた電源によって駆動されている DC リレーからもハム音が発生する場合があります。これも正常な動作です。上記の AC リレーと同じ考慮事項が適用されます。
測定 - 動作 (「吸引」) 電圧
- 適切なコイル電源を使用する (安定した AC またはフィルタ処理され整流された DC)
- 上記で定義された適切な電圧および電流を使用して、接点の状態を監視します。
- コイルに印加される電圧を徐々に引き上げます。
- リレーで「チャタリング」が発生し始めます。
- 接点の状態が変化するまで、引き上げ続けます。
- この時点で接点の跳動 (開閉の切り替えが繰り返される) が見られる場合は、跳動が収まるまで電圧の引き上げを継続します。
- この時点の電圧が「吸引電圧」です。
- この電圧は、仕様の値以下である必要があります。
測定 - 復帰 (「ドロップアウト」) 電圧
- 適切なコイル電源を使用する (安定した AC またはフィルタ処理され整流された DC)
- 上記で定義された適切な電圧および電流を使用して、接点の状態を監視します。
- 公称コイル電圧を印加し、コイルに印加される電圧を徐々に引き下げます。
- リレーで「チャタリング」が発生し始める場合があります。
- 接点の状態が変化するまで、引き下げ続けます。
- この時点で接点の跳動 (開閉の切り替えが繰り返される) が見られる場合は、跳動が収まるまで電圧の引き下げを継続します。
- この時点の電圧が「ドロップアウト電圧」です。
- この電圧は、仕様の値以上 である必要があります。
測定 – 接触抵抗
- 「新品」(未使用) のリレー接点のみに指定されています。
- 最小接点負荷 (電圧および電流) で指定されています。
K1 = 試験対象のリレー接点。
V1 = 最小定格電圧。
R1 = 最小定格電流を得られる R1 を選択する。
M1 = ミリボルト メータ。M2 = ミリアンペア メータ。
- 通常は「負荷スイッチング」状態に対して指定されています (つまり接点は、接触抵抗定格に対して指定された定格負荷電圧および電流を測定前に「メーク」します)。この値はほぼ常に、「最小接点負荷定格」を超える値になります。必須の試験パラメータについては、データシートを参照するか製品エンジニアリング部に問い合わせてください。
- リレーが「ドライ回路」動作に対する定格である場合を除き、「ドライ回路」の接触抵抗は使用しません(「ドライ回路」では、電圧および電流を印加しない状態で接点が閉になり、その後、通常は非常に低いレベルで電圧および電流を印加します)。
- シンプルな試験法:
- 調整された DC 電源および直列抵抗器を使用して、電圧をデータシートで指定されている接触抵抗試験の電圧値に設定し、電流を指定された電流値に制限する抵抗器を選択します(電圧および電流については ± 10% の公差が許容されます)。
- 回路を開き、リレー接点を直列で接続します。
- 測定する接点が開であることを確認します (コイル電力がオフの状態で NO 接点を測定し、公称コイル電力が印加された状態で NC 接点を測定します)。
- 電流計を直列で接続して、電流を測定します。
- 電圧計とリレー接点を並列で接続し、各接点にわたり電圧降下を測定します。
- 電源をオンにした状態で、以下の作業を実施します。
- 公称電圧でリレー コイルを作動 (または復帰) させます (試験対象の接点を閉じます)。一般的な接触抵抗回路。K1 = 試験対象のリレー接点。V1 = 最小定格電圧。R1 = 最小定格電流を得られる R1 を選択する。M1 = ミリボルト メータ。M2 = ミリアンペア メータ。V1 R1 mA K1 mV M1 M2 リレー故障が疑われる場合の検証および診断 4/4 ページ
- 電圧降下 (E) および直列電流 (I) を読み取ります。
- 式 (オームの法則) R = E ÷ I を使用します。
- 接触抵抗 R をオーム単位 (Ω) で計算します。
- R の値は、データシートで指定されている値以下である必要があります。
- 通常、R は 50 ~ 200 ミリオーム (mΩ) 程度になります。信号定格またはドライ回路定格のリレーの場合は小さな値となり、電力リレー、コンタクタなどの場合は大きな値になります。
測定 – 初期絶縁耐力 (Hi-Pot 試験)
- (警告 – 危険性のある電圧を使用します。必ず適切なトレーニングを実施し、安全措置を講じてください。)
- データシートで指定されている AC 電圧 (Vrms) で試験を実施します。
- 「新品」または未使用のリレーのみに適用されます。
- 使用済みのリレーは制限が異なります。
- テスタは定格電圧に設定し、検知レベルは指定された電流 (テスタで固定されている場合もあり、通常は 10 または 20 mA です) に設定します。
- 指定された試験電圧を 1 分間 印加します。
- センサをトリップしないでください (これは合否を判定する試験であり、パラメータ試験ではありません)
- 通常、試験は次の 1 か所以上のポイントで実施します (電圧レベルは、それぞれ個別にデータシートで指定されています)
- コイルから接点
- 極から極 (多極リレーの場合)
- 開接点間
- 故障している場合は、廃棄するか評価のために返品する必要があります。
その他の分析
- 物理的損傷
- 6 インチ (約 15 cm) 程度より高い位置から硬い表面にリレーを落下させた場合、または輸送時に出荷時の損傷定格 (10 G) を超える衝撃を与えた場合は、リレーのシーリングおよび良好な性能の発揮に欠かせない内部調整に対する損傷が発生している可能性があるため、そのリレーは廃棄する必要があります。リレーは作動しているからといって、必ずしも正しく動作しているとは限りません。
- リレー端子は切断しないでください。シールが損傷して漏れが発生する原因となったり、端子が動くことで不適切な動作またはコイル ワイヤが破損する原因となったりする場合があります。
- シールの完全性 (密閉型リレー)
- リレーを洗浄してしまい、シールが損傷すると、リレーに液体が浸入する場合があります。
- 作動または復帰動作に失敗したり、断続的な動作になったりする場合があります。
- 接触抵抗または誘電体の障害につながる可能性があります。
- 数時間または数日後に問題が発覚する場合があります (錆の発生までに時間がかかるため)
- 損傷は、サプライヤから最初に出荷される時点からエンド ユーザー製品への最終組み立てが行われる時点まで、サイクルのどの段階でも発生する可能性があります。
- 端子の動き
- 硬い表面に落とした (端子の曲がりまたは「故障」)
- 取り扱いおよびはんだ付けの際に保持するために端子を曲げた
- 狭すぎる穴または真っすぐでない穴に端子を押し込んだ
- 端子を引き抜いた、または押し込んだ
- 不適切な動作、開路コイルなどの原因になる場合があります。
- 圧迫、反り、ケースの穿刺
- シールの完全性に影響する場合があります。
- 内部コンポーネントの故障または動作制限が発生する場合があります。
- 上記の損傷を防止するには
- 組み立て、取り扱い、はんだ付け、クリーニングのプロセスを確認します。
- サプライヤのアプリケーション エンジニアリングおよび品質管理の担当者に問い合わせください。
免責事項
TE は、掲載されている情報の正確性を確認するためにあらゆる合理的な努力を払っていますが、誤りが含まれていないことを保証するものではありません。また、この情報が正確で正しく、信頼できる最新のものであることについて、一切の表明、保証、約束を行いません。TE は、ここに掲載されている情報に関するすべての保証を、明示的、黙示的、法的を問わず明示的に否認します。これには、あらゆる商品性の黙示的保証、または特定の目的に対する適合性が含まれます。いかなる場合においても、TE は、情報受領者の使用から生じた、またはそれに関連して生じたいかなる直接的、間接的、付随的、特別または間接的な損害についても責任を負いません。
リレー故障の原因の特定
全般的な注記
- 新品のリレー (パッケージから取り出したばかりのもの) は、「指定された最小接点負荷」またはそれ以上の負荷で機能を試験できます。
- 使用済みのリレー (取り付け済みのもの、または負荷電流のスイッチングを行ったもの) は、高い電圧および電流 (通常は約 12 V、100 mA (または 500 mA)) で機能を試験する必要があります。品質部門または製品エンジニアリング部門にご相談ください。
- 新品のリレー (パッケージから取り出したばかりのもの) は、その接触抵抗に対してデータシートで指定されている負荷電圧および負荷電流で、接触抵抗試験に合格する必要があります。
- 使用済みのリレー (取り付け済みのもの、または負荷電流のスイッチングを行ったもの) については、取り付け後または使用後に信頼性の高い接触抵抗試験を実施することはできません。これは、通常のスイッチングから生じる孔食と、接点の表面に蓄積するアーク残留物が原因です。機能試験は、この点を念頭に置いて実施してください。
- 大きな接点を持つリレーおよびコンタクタは、より高レベルでの機能試験が必要となり、一般的に「新品」の接触抵抗は指定されていません。製品エンジニアリング部門にご相談ください。
回路内でのリレーの検証
- リレーが接点をクローズ (またはオープン) できない場合など
接点性能の検証 (クローズ (NO) またはオープン (NC) になるか)
- DC 6 V、100 mA 以上の条件で接点を監視します (「信号」レベルのリレーを除き、常に DC 12 V、500 mA の条件での実施が推奨されます)。
- オーム計またはデジタル ロジック レベルを使用して接点を監視しないでください (デジタル ロジック レベルは、良品のリレーと適切な制御動作をスクリーニングする自動試験器で使用できますが、ロジック レベルの条件下での接点不良は、試験対象のリレーまたは制御の問題を示唆しない (つまり偽エラーである) 可能性があるため、最小負荷定格以上の条件で実施するスクリーニングのバックアップ手段も用意する必要があります)。
K1 = 試験対象のリレー接点。
V1 = 最小定格電圧。
R1 = K1 接点を流れる最小定格電流 (ランプを含む) を設定する抵抗を選択する。
L1 = インジケータ ランプ (V1 での定格)。
コイル駆動回路の検証
- リレーのコイル端子に印加される電圧を測定します
- 最小電圧以上か?
- 「はい」の場合は、アーマチュアの動作音が聞こえる (または動作が見える) か?
- ビビリ音が聞こえるか?
DC コイルの場合:
- ビビリ音が聞こえる場合は、コイル電圧として円滑にフィルタ処理された DC が印加されているか?
- 「はい」の場合は、PCB からリレーを慎重に取り外し、以下の「PCB 外」の方法を使って評価します。
AC コイルの場合:
- ビビリ音が聞こえる場合は、コイル電圧として、正常な 50 または 60 Hz の電力が公称定格値で印加されているか?
- 「はい」の場合は、PCB からリレーを慎重に取り外し、以下の「PCB 外」の方法を使って評価します。
- 上記のすべてについて問題がない場合は、以下の「PCB 外」の方法に進みます。
回路外 (PCB 外) でのリレーの検証
リレーが作動しない場合、またはビビリ音が聞こえる場合: (AC または DC コイル)
- コイル抵抗を測定し (ここではオーム計を使用できます)、仕様と比較します。
- 開路コイル (無限抵抗) の場合は、評価のために返品します。
- コイル抵抗が仕様に適合していない場合は、コイルが取り外しプロセスや印加電圧によって加熱されていなかったことを確認するため、1 時間待ってから再試験を行います。
- それでも仕様に適合していない場合は、評価のために返品します。
- 抵抗値が仕様に適合している場合は、以降の手順を進めます。
- オーム計またはデジタル ロジック レベルを使用して接点を監視しないでください (デジタル ロジック レベルは、良品のリレーと適切な制御動作をスクリーニングする自動試験器で使用できますが、ロジック レベルの条件下での接点不良は、試験対象のリレーまたは制御の問題を示唆しない (つまり偽エラーである) 可能性があるため、最小負荷定格以上の条件で実施するスクリーニングのバックアップ手段も用意する必要があります)。
DC リレー
- 適切にフィルタ処理された DC 電圧を公称値として指定されたレベルで印加する
- DC 6 V、100 mA 以上の条件で接点を監視します (「信号」レベルのリレーを除き、常に DC 12 V、500 mA の条件での実施が推奨されます)。
- オーム計またはデジタル ロジック レベルを使用して接点を監視しないでください (デジタル ロジック レベルは、良品のリレーと適切な制御動作をスクリーニングする自動試験器で使用できますが、ロジック レベルの条件下での接点不良は、試験対象のリレーまたは制御の問題を示唆しない (つまり偽エラーである) 可能性があるため、最小負荷定格以上の条件で実施するスクリーニングのバックアップ手段も用意する必要があります)。
- 接点が正常に動作しているか?
- 問題ない場合は、試験を複数回繰り返して、一時的な状態でないか確認します。
- それでも問題ない場合:
- 試験対象の制御の問題である可能性があります。
- 試験で使用するテスタの問題である可能性があります。
- リレーで発生した一時的な状態であり、はんだ除去時および取り扱い時には見られなかったものと思われます。
- 可能であれば、試験対象の制御にリレーを戻し、再試験を実施します。
- 今度は合格するようであれば、リレー、制御、またはテスタの一時的な問題であった可能性があります。
- 引き続きテスタで不合格となる場合は、制御またはテスタで何らかの問題が発生しています。
- 制御およびテスタの問題を調査します。何も見つからない場合は、評価のためにリレーを返品します。
- 接点が適切に動作しない場合、またはリレーからビビリ音が聞こえる場合は、評価のために返品します。
AC リレー
- 安定した AC 電圧を公称値として指定されたレベルで印加する
- DC 6 V、100 mA 以上の条件で接点を監視します (「信号」レベルのリレーを除き、常に DC 12 V、500 mA の条件での実施が推奨されます)。
- オーム計またはデジタル ロジック レベルを使用して接点を監視しないでください (デジタル ロジック レベルは、良品のリレーと適切な制御動作をスクリーニングする自動試験器で使用できますが、ロジック レベルの条件下での接点不良は、試験対象のリレーまたは制御の問題を示唆しない (つまり偽エラーである) 可能性があるため、最小負荷定格以上の条件で実施するスクリーニングのバックアップ手段も用意する必要があります)。
- 接点が正常に動作しているか?
- 問題ない場合は、試験を複数回繰り返して、一時的な状態でないか確認します。
- それでも問題ない場合:
- 試験対象の制御の問題である可能性があります。
- 試験で使用するテスタの問題である可能性があります。
- リレーで発生した一時的な状態であり、はんだ除去時および取り扱い時には見られなかったものと思われます。
- 可能であれば、試験対象の制御にリレーを戻し、再試験を実施します。
- 今度は合格するようであれば、リレー、制御、またはテスタの一時的な問題であった可能性があります。
- 引き続きテスタで不合格となる場合は、制御またはテスタで何らかの問題が発生しています。
- 制御およびテスタの問題を調査します。何も見つからない場合は、評価のためにリレーを返品します。
- 接点が適切に動作しない場合、またはリレーからビビリ音が聞こえる場合は、評価のために返品します。
一般的に実施される特殊試験および試験の考慮事項
AC リレー (およびフィルタ処理されていない、あるいは部分的にフィルタ処理された電力が印加された DC リレー):
- AC リレーで (「ビビリ音」ではなく)「ハム音」も発生することがある
- ビビリ音 (上記のとおり) が聞こえる場合は、接点でチャタリングが発生するのが一般的です (断続的な発生)
- ある程度のハム音は、ほぼすべての AC リレーで発生します。
- 環境音のレベルにもよりますが、通常、ハム音はユーザーにとって不快なものでしかありません。ハム音の音量は、同じリレーであっても、連続する動作ごとに変化する場合があります。これは、内部部品が動作ごとに必ずわずかに移動するためです。
- 通常発生するハム音の音量は、リレーごとに異なります。
- AC リレー (およびフィルタ処理されていない、あるいは部分的にフィルタ処理された電力が印加された DC リレー):
- AC リレーで (「ビビリ音」ではなく)「ハム音」も発生することがある
- ビビリ音 (上記のとおり) が聞こえる場合は、接点でチャタリングが発生するのが一般的です (断続的な発生)
- ある程度のハム音は、ほぼすべての AC リレーで発生します。
- 環境音のレベルにもよりますが、通常、ハム音はユーザーにとって不快なものでしかありません。
- ハム音の音量は、同じリレーであっても、連続する動作ごとに変化する場合があります。これは、内部部品が動作ごとに必ずわずかに移動するためです。
- 通常発生するハム音の音量は、リレーごとに異なります。
- 過度のハム音が常に発生するリレーは、評価のために返品する必要があります。
- 半波形または全波形整流され、不完全なフィルタ処理が行われた電源によって駆動されている DC リレーからもハム音が発生する場合があります。これも正常な動作です。上記の AC リレーと同じ考慮事項が適用されます。
測定 - 動作 (「吸引」) 電圧
- 適切なコイル電源を使用する (安定した AC またはフィルタ処理され整流された DC)
- 上記で定義された適切な電圧および電流を使用して、接点の状態を監視します。
- コイルに印加される電圧を徐々に引き上げます。
- リレーで「チャタリング」が発生し始めます。
- 接点の状態が変化するまで、引き上げ続けます。
- この時点で接点の跳動 (開閉の切り替えが繰り返される) が見られる場合は、跳動が収まるまで電圧の引き上げを継続します。
- この時点の電圧が「吸引電圧」です。
- この電圧は、仕様の値以下である必要があります。
測定 - 復帰 (「ドロップアウト」) 電圧
- 適切なコイル電源を使用する (安定した AC またはフィルタ処理され整流された DC)
- 上記で定義された適切な電圧および電流を使用して、接点の状態を監視します。
- 公称コイル電圧を印加し、コイルに印加される電圧を徐々に引き下げます。
- リレーで「チャタリング」が発生し始める場合があります。
- 接点の状態が変化するまで、引き下げ続けます。
- この時点で接点の跳動 (開閉の切り替えが繰り返される) が見られる場合は、跳動が収まるまで電圧の引き下げを継続します。
- この時点の電圧が「ドロップアウト電圧」です。
- この電圧は、仕様の値以上 である必要があります。
測定 – 接触抵抗
- 「新品」(未使用) のリレー接点のみに指定されています。
- 最小接点負荷 (電圧および電流) で指定されています。
K1 = 試験対象のリレー接点。
V1 = 最小定格電圧。
R1 = 最小定格電流を得られる R1 を選択する。
M1 = ミリボルト メータ。M2 = ミリアンペア メータ。
- 通常は「負荷スイッチング」状態に対して指定されています (つまり接点は、接触抵抗定格に対して指定された定格負荷電圧および電流を測定前に「メーク」します)。この値はほぼ常に、「最小接点負荷定格」を超える値になります。必須の試験パラメータについては、データシートを参照するか製品エンジニアリング部に問い合わせてください。
- リレーが「ドライ回路」動作に対する定格である場合を除き、「ドライ回路」の接触抵抗は使用しません(「ドライ回路」では、電圧および電流を印加しない状態で接点が閉になり、その後、通常は非常に低いレベルで電圧および電流を印加します)。
- シンプルな試験法:
- 調整された DC 電源および直列抵抗器を使用して、電圧をデータシートで指定されている接触抵抗試験の電圧値に設定し、電流を指定された電流値に制限する抵抗器を選択します(電圧および電流については ± 10% の公差が許容されます)。
- 回路を開き、リレー接点を直列で接続します。
- 測定する接点が開であることを確認します (コイル電力がオフの状態で NO 接点を測定し、公称コイル電力が印加された状態で NC 接点を測定します)。
- 電流計を直列で接続して、電流を測定します。
- 電圧計とリレー接点を並列で接続し、各接点にわたり電圧降下を測定します。
- 電源をオンにした状態で、以下の作業を実施します。
- 公称電圧でリレー コイルを作動 (または復帰) させます (試験対象の接点を閉じます)。一般的な接触抵抗回路。K1 = 試験対象のリレー接点。V1 = 最小定格電圧。R1 = 最小定格電流を得られる R1 を選択する。M1 = ミリボルト メータ。M2 = ミリアンペア メータ。V1 R1 mA K1 mV M1 M2 リレー故障が疑われる場合の検証および診断 4/4 ページ
- 電圧降下 (E) および直列電流 (I) を読み取ります。
- 式 (オームの法則) R = E ÷ I を使用します。
- 接触抵抗 R をオーム単位 (Ω) で計算します。
- R の値は、データシートで指定されている値以下である必要があります。
- 通常、R は 50 ~ 200 ミリオーム (mΩ) 程度になります。信号定格またはドライ回路定格のリレーの場合は小さな値となり、電力リレー、コンタクタなどの場合は大きな値になります。
測定 – 初期絶縁耐力 (Hi-Pot 試験)
- (警告 – 危険性のある電圧を使用します。必ず適切なトレーニングを実施し、安全措置を講じてください。)
- データシートで指定されている AC 電圧 (Vrms) で試験を実施します。
- 「新品」または未使用のリレーのみに適用されます。
- 使用済みのリレーは制限が異なります。
- テスタは定格電圧に設定し、検知レベルは指定された電流 (テスタで固定されている場合もあり、通常は 10 または 20 mA です) に設定します。
- 指定された試験電圧を 1 分間 印加します。
- センサをトリップしないでください (これは合否を判定する試験であり、パラメータ試験ではありません)
- 通常、試験は次の 1 か所以上のポイントで実施します (電圧レベルは、それぞれ個別にデータシートで指定されています)
- コイルから接点
- 極から極 (多極リレーの場合)
- 開接点間
- 故障している場合は、廃棄するか評価のために返品する必要があります。
その他の分析
- 物理的損傷
- 6 インチ (約 15 cm) 程度より高い位置から硬い表面にリレーを落下させた場合、または輸送時に出荷時の損傷定格 (10 G) を超える衝撃を与えた場合は、リレーのシーリングおよび良好な性能の発揮に欠かせない内部調整に対する損傷が発生している可能性があるため、そのリレーは廃棄する必要があります。リレーは作動しているからといって、必ずしも正しく動作しているとは限りません。
- リレー端子は切断しないでください。シールが損傷して漏れが発生する原因となったり、端子が動くことで不適切な動作またはコイル ワイヤが破損する原因となったりする場合があります。
- シールの完全性 (密閉型リレー)
- リレーを洗浄してしまい、シールが損傷すると、リレーに液体が浸入する場合があります。
- 作動または復帰動作に失敗したり、断続的な動作になったりする場合があります。
- 接触抵抗または誘電体の障害につながる可能性があります。
- 数時間または数日後に問題が発覚する場合があります (錆の発生までに時間がかかるため)
- 損傷は、サプライヤから最初に出荷される時点からエンド ユーザー製品への最終組み立てが行われる時点まで、サイクルのどの段階でも発生する可能性があります。
- 端子の動き
- 硬い表面に落とした (端子の曲がりまたは「故障」)
- 取り扱いおよびはんだ付けの際に保持するために端子を曲げた
- 狭すぎる穴または真っすぐでない穴に端子を押し込んだ
- 端子を引き抜いた、または押し込んだ
- 不適切な動作、開路コイルなどの原因になる場合があります。
- 圧迫、反り、ケースの穿刺
- シールの完全性に影響する場合があります。
- 内部コンポーネントの故障または動作制限が発生する場合があります。
- 上記の損傷を防止するには
- 組み立て、取り扱い、はんだ付け、クリーニングのプロセスを確認します。
- サプライヤのアプリケーション エンジニアリングおよび品質管理の担当者に問い合わせください。
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