8xx1N の運用コンセプト (CONOPS) はどのようなものですか? |
8xx1N シリーズは、オンボードでの電力、信号、データ処理と無線通信機能を備えた振動センサです。ユーザーが設定した時間間隔で振動をモニタします。 時間間隔が開始されると、8xx1N は以下のことを行います。
- 起動する
- 一定時間振動をモニタする
- 高速フーリエ変換 (FFT) を使用して時系列データを処理する
- FFT から導出された周波数成分の要約データを送信する
送信された周波数データは、アナリストやアルゴリズムが装置の障害の有無と種類を特定するために使用します。 このセンサがあれば、振動アナリストが危険な場所や到達しにくい場所に実際に行かなくても一貫したモニタが可能になり、これまで状態監視に多大なコストがかかっていた機器の予定外のダウンタイムを低減できます。 |
8xx1N はどのようなタイプの機械をモニタするように設計されていますか? |
8xx1N シリーズは、ポンプ、モータ、コンプレッサ、ギアボックス、ベアリング、メカニカル シールなどの回転機器に最適です。ユーザーが選択可能な固定の時間間隔で振動をモニタし、ワイヤレス接続を介して振動データを報告します。 8xx1N は、地震や衝撃など、測定対象の振動イベントが短時間で爆発的に、または不規則な間隔で発生する状況をモニタするようには設計されていません。 |
8xx1N はモニタ対象の機器にどのように取り付けられますか? |
8xx1N は、機器にしっかりと機械的に接続する必要があります。最も推奨されるのは、振動伝達を最大化する金属スタッド取り付けです。スタッドが使用できない場合の次善の方法は、磁気取り付けと接着取り付けです。接着する場合は、エポキシまたはシアノアクリレートが推奨されます。 フォーム、テープ、その他の柔らかいものやスポンジ状のもので取り付けると、センサの性能が大幅に低下するため、推奨されません。 |
センサの大きさはどのくらいですか? |
このセンサは、高さ 8 cm、直径 3.2 cm の円柱に近い形状をしています。上部は、エレクトロニクスとバッテリーを覆う取り外し可能なプラスチック キャップで構成されています。ベースは 316L ステンレス鋼製の六角頭ねじで、フラット間の幅は 3.5 cm です。 |
1 台の機械にセンサは何個必要ですか? |
機器上での測定が必要なポイントの数は、機械のタイプ、検知が必要な障害のタイプ、冗長性、機器オペレータの予算など、多くの考慮事項に左右されます。少なくとも、回転軸に対して半径方向の単軸測定が推奨されます。 3 軸センサは改良版であり、機器の軸方向や接線方向など、複数の軸の振動測定に使用できます。装置が複雑な場合や周波数が高い場合は、機器の複数の軸で複雑な振動が発生するため、3 軸センサの使用が推奨されます。 モータが別の機器 (コンプレッサ、ポンプなど) を駆動する場合は、モータとその駆動対象に個別にセンサを取り付けることが推奨されます。両者の間にはシャフト カップリングが存在することが多く、カップリングでは振動がうまく伝わりません。 |
89xxN と 85xxN はどこが違うのですか? |
89xxN は、LoRa 通信を使用してデータをネットワークに送信するように設計されています。LoRa を介して通信するほかに、Google Play と Apple の App Store から入手できる TE SensorConnect アプリを使用して Bluetooth Low Energy (BLE) で通信することもできます。 85xxN は、BLE を介してのみデータを通信するように設計されており、BLE によるデバイスの設定もサポートしています。 |
推定伝送距離はどのくらいですか? |
89x1N は LoRa 経由で通信し、キロメートルの規模でデータを伝送できます。85x1N は Bluetooth Low Energy (BLE) 経由で通信し、メートルの規模 (約 10 ~ 100 m) でデータを伝送できます。正確な伝送範囲は、センサの位置、受信機の位置、大気の状態、干渉する機器/構造によって異なります。 |
測定頻度はどのくらいですか?データの伝送頻度はどのくらいですか? |
8511N、8531N、8911N の場合、振動測定は 1 分ごとに 1 回から 24 時間ごとに 1 回までの一定間隔で行われます。8931N の場合、振動測定は 15 分ごとに 1 回から 24 時間ごとに 1 回までの一定間隔で行われます。データは収集して処理された後すぐに伝送されます。 |
このセンサは LoRaWAN プライベート ネットワークとパブリック ネットワークで使用できますか? |
89x1N シリーズは、LoRaWAN のパブリック ネットワークとプライベート ネットワークの両方で動作するように設計されています。これらのネットワークに接続するには、特定のネットワーク設定に関する知識が必要です。 |
データの表示やアクセスはどのように行いますか?可視化ツールや分析ツールは用意されていますか? |
BLE 接続または LoRa 接続で伝送されたデータをどのように保存、増強、分析、可視化するかを柔軟に選択できます。センサの設定や限定的なデータの可視化に使用できる TE SensorConnect アプリが公開されています。また、ユーザーが当社のドキュメントを参考にして、LoRa または BLE を介してセンサからデータを取得するバックエンド ソリューションを独自に構築することもできます。 |
ワイヤレス通信にはどのようなプロトコルが使用されますか? |
TE ワイヤレス振動センサは、LoRaWAN と Bluetooth Low Energy (BLE) という 2 つの異なるワイヤレス通信プロトコルで提供されます。LoRaWAN は伝送距離が長い場合 (キロメートル単位) に推奨され、BLE は伝送距離が短い場合 (メートル単位) に推奨されます。BLE は LoRaWAN よりもデータ転送帯域幅が広いため、同じ時間内により多くのデータを伝送できます。そのため、両者間の機能は若干異なります。 89x1N モデルは LoRaWAN プロトコル経由で通信します。LoRaWAN プロトコルでは地域固有の周波数とチャネル プランが規定されているため、TE は 2 つの LoRaWAN オプションを提供しています。米国とカナダ向けの 915 MHz、US902-928 オプションと、ヨーロッパのほとんどの地域向けの 868 MHz、EU862-870 オプションです。89x1N モデルには Bluetooth 通信リンクも含まれていますが、これらのモデルでは Bluetooth リンクはセンサの設定にのみ使用され、センサ データの転送には使用されません。 85x1N モデルは BLE プロトコル経由で通信します。BLE プロトコルは 2.4 GHz の周波数を使用し、世界的に標準化されています。 |
一般的なバッテリーの耐用寿命はどのくらいですか? |
一般的なバッテリー寿命は、ほとんどの条件下で 4 ~ 10 年と見込まれています。ただし、構成された設定と環境要因がバッテリー寿命に影響を与える可能性があります。そのような要因の一例を以下に示します。
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TE Connectivity で推奨されているもの以外のバッテリーを使用できますか? |
本質安全認定機器を必要とする用途には、TE Connectivity 推奨バッテリーを使用することが重要です。推奨バッテリーには、バッテリー メーカによる独自の本質安全認定が付いています。ノーブランドまたは異なる型番のバッテリーを使用すると、火災、爆発、怪我、または死亡につながる可能性が高まるおそれがあります。 |
センサには定期的な校正とメンテナンスが必要ですか? |
このセンサは、長期安定性を保証するコンポーネントを使用して設計されており、数年間にわたり仕様の範囲から外れることはありません。現場での校正は不要です。必要なメンテナンスは、バッテリーが消耗したときに交換することだけです。バッテリー交換の具体的な手順は、施工マニュアルに記載されています。 |
3 軸デバイスの場合、各軸の方向はどのように決定されますか? |
センサ下部の六角ねじのフラット面の 1 つに、X、Y、Z の感知方向を示すマーキングが付いています。X 方向は、取り付け面、およびマーキングが付いている六角フラットに対して平行です。Y 軸は、マーキングが付いている六角フラットに対して垂直です。Z 軸は、取り付け面に対して垂直です。 |