エンジン用途向けの高振動コネクタおよびコンタクト
燃費向上と CO2 排出量削減を推進しながら性能も向上させるというニーズに突き動かされた結果、次世代の乗用車用内燃エンジンは、小型化やパワーおよびエンジン速度 (RPM) の向上に重点を置いたものとなっています。しかし、これら新型エンジンの振動挙動が向上するということは、エンジン ルーム内の電子コンポーネントを接続する電気コネクタに対して、従来こうした用途で利用されてきた標準的なコネクタでは対処しきれない、新たなレベルの耐振動性が課されるということを意味します。
SG 6
150°C
IPx9K
エンジン ルーム用途
エンジン ルーム内のコネクタには、自動車の寿命全体にわたって信頼性を維持するために高度な堅牢性が必要です。つまり、最高 150°C の温度や最高 6 の振動シビアリティ レベルでも動作可能で、なおかつ LV214 などの非常に厳格な自動車規格をもクリアする、完全密閉設計が大前提ということになります。コネクタやコンタクトは、接触点の動きや表面損傷を防止するように設計されていることがきわめて重要です。
そのためには、次の点に留意する必要があります。
- コネクタ接続部におけるコネクタの動きを最小限に抑える
- コンタクトの相対運動を防止
- ケーブルの動きを抑制
HPF 1.2 端子
1.2 mm x 0.6 mm のタブに対応する TE Connectivity の HPF 1.2 コンタクト システムは、自動車のエンジン ルーム内の高振動かつ高温環境で使用できるように特別に設計された平型の端子です。接触点の振動によって発生する、微細な動きを防止するよう設計されています。これは、接触領域を端子ボディの他の部分から機械的に分離すること、および接触点に加える垂直抗力を高めることによって達成されています。圧着タイプの接続部は、断面積 0.35 mm² ~ 1 mm² のケーブルを接続することを想定して設計されています。
「曲折」形状により、ケーブルを介して軸方向に伝わる微細な動きを最小限に抑えます。
特長
- 「曲折」形状によって外力と動作を最小限に抑える
- HPF 1.2 コネクタと接続した状態でレベル SG6 (LV214) を達成
- LV214 に従って完全に検証済み
- 製品寿命にわたって性能を持続する高性能銅合金
- PCB との接触を高める高い垂直抗力
- 高振動および高温環境に適した超高性能の平型端子
- 高い振動性能を実現する複数の接触点
- 接触部分での大きなホイールベース
- エンジン ルーム内での使用に最適
- シングル ワイヤ シール (SWS) 設計 - 新しいシールにより、ワイヤから伝達される振動を端子から切り離す
- 1.2 x 0.6 mm のタブ サイズに適している
HPF 1.2 コネクタ
ハウジングは、接触領域を HPF 1.2 内で引き起こされる動きから分離して最適な効果を生み出すために、さまざまな形でコンタクトに適応しています。このような効果には、コンタクト キャビティへのはめ合いの精度や、接触点の相対運動を防ぐ 20% 長い放射状ワイヤ シールが含まれます。減衰特性が高いハウジング材料は、コネクタ システムの全体的な性能の向上にも寄与しています。
特長
- シール設計
- 標準ハウジングは -40°C ~ 150°C の温度範囲に対応 (ご要望により、最大使用温度が 180°C のハウジングも提供可能)
- HPF 1.2 端子と組み合わせた場合にレベル 6 (LV214) を達成
- ロング シュラウド バージョンとショート シュラウド バージョンのどちらにおいても、インタフェースの遊びを最小限に抑える
- MCON 1.2 インタフェースに対応
- 最大 48 V - 48 V アーキテクチャに使用可能
- コネクタ位置保証 (CPA) と端子リテーナーによって信頼性と安全性を向上
- コネクタ接続部におけるコネクタの動きを最小限に抑える
- ケーブルの動きを抑制
- 耐振動性は今日の最も厳しい振動要件よりも 4 倍高い