協働ロボット

用途

協働ロボットにおける
検知の最適化

効率・生産性・安全性を高めて確実かつ安全な動作を実現するデータをセンサが収集することで、人間とロボットの相互作用が可能になります。ロボット用途向けの TE センサをご紹介します。

産業用ロボットや医療用ロボットおよびロボット システムのモニタと制御のため、センサの存在は必要不可欠です。 センサは、周囲環境や重要な動作パラメータのモニタやロボットの動きのモニタおよび制御のために複数の分野で使用されており、効率性・生産性・安全性の高いロボットの動作の実現に役立ちます。 ロボット技術やトレンドの進展とともに、これらのロボットをサポートするセンサの用途は大幅に増加してロボットの効率性・生産性・安全性を高めています。 ロボット技術と自動化の継続的な進化に伴って、センサはこれらのシステムに必要とされる重要なデータの基盤であり続けるでしょう。センサはシステム コンポーネントの正確なモニタのために使用され、ロボットの安全で効率的な動作を実現するとともに予知保全や予防保全を容易にします。
これらの市場や用途に使用される主なセンサ技術には、トルク・力・光・位置・温度などがあります。

人間と協働ロボットのやり取り
インダストリアル生産ラインにおけるロボット
ロボットと人間
ロボット ハンドによる処理

Industry 4.0 の技術とトレンドの発展に伴って企業が効率性・生産性・利益性の向上を志向する中で、インタラクティブなロボット、それらの自動化システムと制御システム、これらの産業用協働ロボットのサポートに使用されるセンサが増えてきています。 産業ロボット技術と自動化に対するニーズが高まり続ける中で、センシング技術はこれからもデータおよび情報の基盤となり、製造現場を密接につながる、コスト効率に優れた、信頼できる設備へと変えていきます。

産業用ロボット向け市場に対する
センサの役割

センサは今日の高度な支援ロボットや協働ロボットの一体型コンポーネントです。ロボットをモニタ・制御し、大手企業の製造現場に必要とされる精度で安全かつ効率的に動作させるためにさまざまな方法で利用されています。センサはロボットの正確な動きのモニタや制御のために使用されるだけではなく、ロボットの重要なコンポーネントをモニタすることでシステムの故障を防止して予知保全や予防保全さえも可能して稼働時間や生産性を最大限に確保するためにも使用されます。 

 

人間とのやり取りをまったく、あるいはほとんど行わないスタンドアロン型の自動化装置とは対照的に、協働ロボットは作業員との対話や支援を想定して作られています。製造環境の協働ロボットなら、人間では完遂できない、あるいは安全に実行できないような複雑・危険なタスクにも対応できます。協働ロボットに関する安全要件の整備・拡充が進むにつれて、これらの機能安全要件に協働ロボットが対応できるようにセンサが使用されるようになってきています。  

 

TE Connectivity は、産業用ロボットや協働ロボットで使用されるさまざまなセンサを提供しています。たとえば、 トルクセンサ、 センサ、 位置センサ、 温度センサ、光センサなどです。これらの検知技術は、協働ロボットをモニタ・制御して人間の近くで安全かつ確実に動作させるためにさまざまな用途で使用されます。トルク センサは協働ロボットの回転ジョイントで機械のトルクを測定し、障害や過負荷を検知することによってケガや協働ロボットの故障を防止します。また、カーテンなどの軽量の機器でセンサを使用することもできます。すなわち、重要な領域に人が立ち入ったときに装置を止めることやレーザー スキャナで APD に人工眼の働きをさせることなどが可能になります。センサを使用すると、ロボットの環境をモニタして物体を検知したり把持力や負荷容量をモニタしたりすることで職場での安全性・信頼性・効率性の高い動作を確保することもできます。現代の職場では、センサは産業用ロボットや協働ロボットに不可欠なコンポーネントです。人間と装置が安全にやり取りして効率性と有効性を高めることができるからです。

医療技術が進み、ロボット手術から多くのメリットが得られるようになったことで、手術支援ロボットの使用がより一般的なものになってきました。 ロボット支援手術では手術支援ロボットを使用して低侵襲医療処置の実施に役立てています。これによって、患者の入院日数の短縮、痛みの軽減、回復期間の短縮、切開部位の縮小化を実現することができます。 

手術支援ロボット向け市場に対する
センサの役割

手術支援ロボットは、長くて複雑な手術に伴う疲れを軽減します。外科医がツールや手を差し入れるために大きな切開を行う必要があった従来の手術方法と比較し、ロボット手術では極めて正確で信頼性の高いロボット技術を利用して外科医が同じ複雑な作業を行うことができます。 

 

ロボット手術はサージョン コンソールを使用して実施されます。サージョン コンソールでは外科医が手術部位を拡大するカメラを通して手術支援ロボットのメカニカル アームを制御・操作することができます。コンソール制御によって外科医の手・手首・指の動きが模倣されてロボットアームに伝えられ、小さな切開で手術が極めて簡潔に行われます。ただし、制御は完全に外科医によって行われます。ロボット手術に必要な高精度の機能性と再現性は高性能のセンサがなければ実現できません。

 

センサはロボット支援手術の基盤です。センサは手術の成功に必要な精度の高いロボット アームの動きに求められるデータを収集してくれるからです。手術支援ロボットは、トルク センサ、力センサ、位置センサを使用してこれらのデータ測定を実現します。手術支援ロボットの トルク センサは、安全のため、および手術支援ロボットの手動アーム位置決めを改善するために使用されます。 また、手術支援ロボットでは、外科医による制御に使用される触覚フィードバックの触覚を改善するために力センサ が使用され、テーブルとコンソールの位置決めのために位置センサが使用されます。 世界中の病院でロボット手術が普及していく中で、センサはこれからもロボット手術システムに必要な基盤コンポーネントであり続けるでしょう。  

産業用の工場用途において業務効率を改善する必要性が高まる中で、 倉庫やその他の産業設備では、移動ロボットを使用して効率性・生産性・有効性を改善するとともに従業員の安全性基準も維持してきました。自律移動ロボット (AMR) と無人搬送車 (AGV) は荷物や商品の輸送補助と製造生産ラインのサポートのために使用されており、明確に定められた比較的固定的な作業の存在する設備に適しています。

AMR / AGV 向け市場に対する
センサの役割

AGV は、荷物や材料の輸送を補助して製造生産ラインをサポートするために使用されており、固定的な作業が多い設備に理想的です。AGV で使用されるセンサには、人的安全性を確認して衝突を避けるための LiDAR ナビゲーション用光検知があります。移動ロボットの材料過積載防止のためには力検知および傾斜検知が必要であり、フォークリフトの高さを知るためにケーブル作動式位置センサが必要になります。 

 

最近では、AMR (自律移動) ロボットが業界に導入されつつあります。 AMR は、AGV と同様に、あらかじめ定義された指定済みの経路に沿って走ります。しかし、AGV は障害物が取り除かれるまで停止して待機するのに対し、AMR は周囲の障害物を検知して避けることで指定された作業を完了させることができます。AGV と AMR は、いずれも、材料の輸送、荷積み、荷下ろし、棚積み、棚卸しなどの動的な活動に使用することができます。

 

このインテリジェンスと複雑性の高い機能を実現するために AMR に使用できるセンサは以下のとおりです。 

  • 近くの作業者や物体、周囲の環境を把握するために距離を確認する位置検知 
  • 環境を知って最も効果的な経路を選定するための光検知
  • 材料の荷重情報をやり取りするためのおよび傾斜検知  

 

設備内に AGV が配備されている場合でも AMR が配備されている場合でも、移動ロボット用センサが基礎的なデータを提供し、正しく安全に、そして可能なかぎり効率的にこれらの技術が機能していることを確認します。

詳細

ロボット ソリューション

トピック リソース
協働ロボットの安全性能を改善する トレンド ページ
ロボットの進化におけるセンサの役割 トレンド ページ
5 つの方法を通じてトルク センサで協働ロボットの安全性能を改善 インフォグラフィック
手術支援ロボット用センサ ソリューション シート
産業用支援ロボット用センサ ソリューション シート
AGV および AMR 用センサ ソリューション シート