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極超音速兵器システムの未来

高速極超音速ミサイルでは、絶え間なく変化する防衛産業の需要に対応できる高速コネクティビティ ソリューションが必要です。

極超音速ミサイル技術の動向と開発

多層防衛戦略の重要な要素として進化する極超音速ミサイル

極超音速ミサイルは、2020 年に軍事技術の新たな動向として防衛環境に登場し、多くの近代的な軍備で短時間のうちに重要なソリューションになっています。

 

極超音速ミサイルの重要な定義は変わらず、精密な操縦性を備えながらマッハ 5 以上の速度で飛行することです。しかし、このような機能を実現する空力学技術は進化を続け、多くの利点を提供しています。

 

多層的な防衛戦略の一環となる極超音速ミサイルは、持続的な監視、標的の探知、脅威の抑止に重点を置いています。多くの要素を効果的に監視するには、さまざまなサブシステムで構成する高機能なネットワークが、包括的な極超音速兵器システムの中で確実に接続され、シームレスに連携する必要があります。このようなサブシステムとして以下があります。

  • 発射
  • 追尾センサ
  • データ処理
  • 通信
  • ナビゲーション
  • 飛行制御

最新の極超音速ミサイル サブシステムの接続

極超音速

極超音速ミサイルの推進力と空力性能: 発射サブシステム

発射サブシステムは、極超音速ミサイルの高速度を得るための推進力と空力性能を実現します。この速度に伴い、別の追求点である射程距離が得られます。音速の 10 ~ 15 倍の速さで飛行することにより、16,000 km を 1 時間足らずで移動でき、大陸間の射程距離が得られます。

 

極超音速ミサイルは発射方法にも柔軟性があり、航空機、地上、潜水艦から運用でき、空対空、空対地、地対空、地対地の場面に対応できます。

 

正確な発射のためには、コネクタ、制御ボックス ユニット、ハーネス、インタフェース、アセンブリなどの各コネクティビティ コンポーネントをサブシステムに統合する必要があります。エンジン駆動発電機、補助電源、バッテリー、外部電源など、兵器システムに幅広く使用されている各種の電源は、軽量で大容量のコンタクタで制御できます。 

統合技術: データ処理、通信、ナビゲーションの各サブシステム

兵器システムのコントロール センターである誘導プロセッサ ユニット (GPU) は、追尾センサ、通信、ナビゲーションなどの他のサブシステムからリアルタイムの情報を収集して取り込みます。ミサイルによる対応方法を短時間で判断するために、目標の飛行経路の識別、位置、軌道に関するデータを GPU で直ちに受信して処理する必要があります。その判断に関する情報を発射サブシステムと飛行制御サブシステムへ速やかに送信し、目的の操作を実行します。

 

このような大量のデータを飛行中にリアルタイムで計算して分析することは複雑な作業です。極超音速誘導システムには、GPS、無線、衛星をはじめとする複数のデータリンクを使用して情報を送受信できる、高速で低遅延の電子機器が必要です。小型コネクタ、超小型コネクタ、高性能ケーブルを使用して、このような重要なすべての情報を、ミサイル内部の限られた空間で他のすべてのサブシステムとシームレスに接続して伝達する必要があります。

戦略的抑止力: 追尾センサ サブシステム

目標を検知して脅威を抑止するために、攻撃的な目標や差し迫った脅威を認識できる高度な高感度センサが目標検知追尾技術に必要です。

 

ミサイルの機首に設置したセンサ区画には、複雑な信号処理を実現する広い帯域幅を確保できるように、限られた空間にリレー、配線コネクタを詰め込む必要があります。

 

ミサイルのセンサでは、レーザー ビーム検出、赤外線シグネチャの物理的検出、レーダ検出などのさまざまな技術を活用できます。どの技術を使用する場合でも、重要なセンサ データを GPU へ伝達するために、相当量の配線、フレキシブル基板回路、多数の相互接続点が必要となります。

高速操縦性: 飛行制御サブシステム

データを分析して目標にミサイルを発射する判断を下した GPU は、その判断とミサイル操縦に必要な飛行経路を制御サブシステムに伝達します。極超音速ミサイルは、従来の大陸間弾道ミサイル (ICBM) のような放物線軌道ではなく、スクランブル化した飛行経路をたどることができます。また、現代のミリタリ プログラムのほとんどは一度に複数のミサイルを扱います。多数の極超音速ミサイルが通常とは異なる飛行経路をとると、相手側でそれを予測して迎撃することはほぼ不可能です。

 

この高度な制御による高速操縦性を実現するには、強力なエンジンと正確な操舵機能が連携する必要があります。

SWaP と残存性を最適に組み合わせた極超音速ミサイル

このようなサブシステムを極超音速ミサイルに統合する際の複雑さに起因して、コンポーネントの選択では絶妙なバランスが要求されます。過酷な熱環境に長時間耐えられる能力とともに、大きさ、重量、電力 (SWaP) を考慮する必要があります。

今後の極超音速ミサイル開発

極超音速ミリタリ技術の動向がこれまで以上に広く多層防御システムで採用されるようになったことで、観測、検出、対応の手法もその動向に対応する必要があります。そのような改善として、地球の低軌道 (LEO) と中軌道 (MEO) の両方に配置した衛星とのデータリンク機能があります。この機能により、LEO からの高い解像度と MEO からの広い監視範囲を兵器システムで活用できます。したがって、さまざまな衛星と兵器システムとの間で高品質な情報を確実に送受信するために、これまで以上に高速で低遅延の電子機器が必要になります。

 

観測と持続的な監視を改善するには、より高度なシグネチャ認識機能をセンサに搭載して、脅威ではない対象が真の脅威と判断されないようにする必要があります。このようにして得られたデータを十分な速度で処理して、目標を継続的に捕捉し、敵対勢力からの極超音速の脅威を阻止します。

 

このように高度な性能を構成するすべての要素では、さまざまなコネクティビティ コンポーネントを必要とします。そのようなコンポーネントとして、アンテナ、ケーブル、回路、クランプ、コネクタ、圧着、ハーネス、プリント回路基板 (PCB)、センサ、はんだ付け接続部などがありますが、これらのすべてで、残存性に必要な堅牢性を維持しながら、小型化と軽量化を進める必要があります。TE Connectivity (TE) は、宇宙防衛の専門知識を結び付けることにより、進化する防衛とミリタリの産業からのニーズを満たすうえで十分な速度、帯域幅、耐久性、信頼性を備えた堅牢なコネクタの設計を通じ、製造元を成功に導きます。

主なポイント

  • 空気力学を取り入れた極超音速ミサイル技術は、多層防衛戦略の重要な要素として急速に進化しています。
  • 発射、追尾センサ、データ処理、通信、ナビゲーション、飛行制御などのサブシステムを統合した堅牢なネットワークが、包括的な極超音速兵器システムを形成します。
  • LEO と MEO に置いた衛星との高度なデータリンク機能、改良したシグネチャ認識機能が、次世代の極超音速を推進します。
  • TE は、極超音速兵器システムプロジェクト向けコンポーネントの設計で、SWaP と残存性との適切な組み合わせに配慮しています。