RTD 温度センサ素子
TE Connectivity の RTD 温度センサ素子は、過酷な温度環境で精密かつ安定した測定を可能にするよう設計されています。これらの素子は、その実績ある設計、使いやすさ、信頼できる性能、迅速な納品によって高い価値を提供します。過酷な環境でも精密な温度測定が可能です。新しくエンジニアリング設計を行う際も、あるいは既存の設計を最適化するときにも、TE の RTD 温度センサ素子はさまざまな業界や応用分野で簡単に使えます。線形出力は工学的介入を低く抑える必要があり、TE 製のこれらの素子は、ほとんどのフォーム ファクタで、短納期で入手できます。
RTD センサ素子について
RTD センサ素子は、温度変化に基づいて抵抗値が変化する温度センシング コンポーネントです。プラチナ素子は基本的に、次の 2 種類に分けられます。フォトリソグラフィとエッチングによってセラミック ベースにプラチナがスパッタされた薄膜素子と、細いプラチナ線を巻き付けてガラス ケース内で融合させた、またはセラミック内に埋め込んだ巻線素子です。これらの素子は、RTD プローブまたはアセンブリと対比されます。RTD プローブまたはアセンブリは、RTD 素子、シースまたはハウジング、エポキシまたはフィルタ、延長リード線、さらに製品によってはコネクタまたは結線端子で構成されています。
製品の特長:
TE の RTD センサ素子ラインナップが提供する各種機能
- 過酷な環境における精密な測定
- 適用および使用が容易
- -200°C ~ +600°C の過酷な温度に耐える設計
- 国際工業規格 (IEC 60751:2008) に対応
- 線形出力による優れた設計効率
- 多数の用途に対応
RTD センサ素子のタイプ
RTD センサ素子は、薄膜素子とガラス巻線素子の 2 種類に大きく分けることができます。巻線素子には、一般的にガラスとセラミックの 2 種類があります。SMD 素子もいくつか製造されています。TE 製のものには、SOT23 パッケージに Ni1000 素子を組み込んだ 1206 SMD バージョンや、Ni1000 センシング素子を内蔵するデジタル センシング素子 TSYS01 があります。
薄膜素子は、フォトリソグラフィと呼ばれる技術を使って製造されています。この技術により、センシング素子を従来の巻線素子よりも堅牢、小型、高精度、かつ費用対効果の高いものにすることができます。巻線素子の製造には多くの労力を必要とするため、薄膜素子より価格が高くなる傾向があります。とはいえ、巻線素子にも固有の利点があります。それぞれのタイプの主な利点は次のとおりです。
薄膜素子の利点:
- 低コスト
- 迅速な応答時間
- 小型
- 優れた耐振動性
- 優れた耐熱衝撃性
- 低熱質量
巻線素子の利点:
- 広い使用温度範囲
- カスタマイズ可能なベース抵抗値
- 高いソース電流を使用可能
- より広い温度範囲にわたって高精度を実現
- より大径のリード ワイヤ
- 低い自己発熱
用途
RTD センサ素子は、サーミスタより広い使用温度範囲が必要な場合、広い温度範囲にわたって高い精度が要求される場合、高い安定性と低ドリフトを長期間維持しなければならない場合に特に適しています。注目の用途には以下が挙げられます。
プラチナ薄膜 RTD センサ
プラチナ薄膜 RTD センサは、セラミック基板にコーティングした後にガラス コーティングで不動態化されたプラチナの構造化薄膜で構成されています。 プラチナ薄膜 RTD センサの最も一般的なタイプは Pt100 と Pt1000 です。Pt100 は 0°C (氷点) 時のベース抵抗値が 100 Ω、Pt1000 は 1000 Ω です。これらのセンサの最も一般的な抵抗の温度係数 (TCR) は 3850 ppm/K です。Pt100 の場合、これは温度が 0°C から 100°C まで上昇する間に抵抗が 38.5 Ω 変化することを意味します。Pt100 と Pt1000 にはどちらも、温度精度や寸法の異なるバリエーションがあります。